2020年、コロナウイルスが世界を襲った。

 

当初はそれほどの危機感はなかった。中国の状況を世界は傍観していた。日本でも、せいぜいインフルエンザのような受け止め方に過ぎなかった。だが、そうした態度が変化するのに時間はかからなかった。感染者が急増し、4月には緊急事態宣言が出されるにいたった。

 

欧米の状況はさらに深刻で、多くの人びとがコロナウイルスにたおれた。そして、感染者の管理と、感染者がいた場所を特定する作業に追われることになった。

 

だが、事態はさらに悪化し、欧米の各都市はロックダウンへと進行していった。そして、人影のない街並みを出現させた。一時は、買い出しにも許可がいるほどだった。

 

 

それはロックダウンと、一言では済まない状況をもたらした。

 

ふだんは出勤していたパートナーが在宅勤務になり、最悪の場合は職を追われたりするなどして、家族関係が崩壊してしまった家庭もあった。その他、あげればきりがないが、COVID19は病魔のみならず、社会のさまざまな場面において問題をもたらした。

 

そうしたなか米国で開発されたのが、新型コロナウイルス接触確認アプリだ。これと並行して、公共の場所での手のアルコール消毒、マスクの着用、各店入店前に氏名を含む連絡先の伝達などが義務づけられた。

 

日本でも6月に、接触確認アプリがスタートした。

 

 

接触確認アプリと危機管理意識

 

危機管理のあり方に疑問が呈されることの多い日本だが、接触確認アプリの利用においてもそれはあてはまる。それに対して、いち早く接触確認アプリを配給した米国では、それに伴い、個人情報の問題を筆頭に、さまざまな懸念の声が上がった。その結果、VPN、すなわち仮想プライベートネットワークVPNの利用が広がった。

 

VPNとは、ネット上でプライバシーを保護したり、ハッキングの目から逃れたりするなど、さまざまな用途で利用されているアプリケーションのことで、簡単にダウンロードできることから、米国では瞬く間に利用者が増えた。

 

そして、今やオンライン上で個人情報を守るのに、VPNは不可欠なものになってきている。

 

VPNを利用することで、パソコンを使用しての送受信がすべて暗号化され、IPアドレスを悪用されることなく、安全にオンライン上でやりとりをすることが可能となる。これは公共Wi-Fiの利用時も同じで、Wi-Fi回線のある場所であれば、VPNサーバーに繋ぐことでどこでも利用できる。

 

 

高速ダウンロードにもVPN

 

このVPN、じつは他にも、COVID19が蔓延するなかで役立ったことがある。

 

VPNは動画配信のストリーミングに効果的なアプリケーションでもあり、高速でゲームや動画をダウンロードすることができる。

 

ロックダウン中、学校に行けない子どもたちが家族とオンラインゲームで遊ぶなどして、家族間の交流が以前に比べて深まったケースもあったに違いない。そこで活躍したのがVPNだ。そればかりではなく、たとえば、海外出張中にロックダウンにあった人が、日本のVPNサーバーに接続することで、NHKなどのローカルテレビ番組を視聴することができた、などという話も聞かれた。

対応端末もLinux、Andoroid、macOS、iOS、Windows、AppleTV、Chromeと幅広く、VPNはいまや企業においても、良いパートナーとなってくれるアプリケーションである。

 

COVID19は多くの悪影響をもたらしているが、自身でできる自己防衛もある。危機管理もそのひとつだ。自宅にいる時間が長くなり、オンラインでの作業や娯楽が増えてきている現在、そして新型コロナウイルス接触確認アプリの利用が広まるなか、VPNのようなアプリケーションを使用することは、一番身近な自己防衛の手段のひとつではないだろうか。


 


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