法務省・出入国在留管理庁の施設で、難民申請者をふくむ在留資格のない外国人の収容が長期化している。この問題をめぐって、有識者でつくる専門部会が、迅速な送還や、送還を拒否する人に対する罰則などを検討していると報じられている。

こうした状況を受けて、有志の弁護士グループと支援者グループが11月25日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いて、「専門部会は、当事者(収容者など)から、意見を聞くべきだ」と訴えた。

「収容・送還問題を考える弁護士の会」の高橋済弁護士は、専門部会の資料が恣意的で、偏った内容になっていると指摘したうえで「審議の内容が公開されておらず、密室の状態で、かなり大きな法改正が検討されていることに、非常に大きな危惧をいだいている」と述べた。

「帰るくらいならここで殺して」

この日の会見には、国外退去処分を受けながらも、身柄を一時的にとかれている「仮放免」の外国人2人も出席した。

ナイジェリア人のエリザベスさんは1991年、来日した。女性器切除(FGM)から逃れたことや、熱心なクリスチャンであることから、帰国すれば危害が及ぶおそれがあるという。エリザベスさんは「仮放免で、仕事できない。病院行けない(健康保険に入れない、という意味)。いつもこわい」と語った。

コロンビア人のミルトンさんは、現地警察にマフィアの情報を教えたところ、命を狙われることになったそうだ。1995年に来日して、これまで2度も収容された。「入管には、(コロンビアに)帰るくらいならここで殺して、と言っている」「(専門部会には)なんで帰らないのか、聞いてほしい」と話した。

「収容・送還は命にかかわる問題だ」

会見後、支援者グループ「仮放免者の会」が、出入国在留管理庁に申し入れをしようとしたが、同庁に申入書を受け取ってもらえなかった。

森雅子法相、佐々木聖子・出入国在留管理庁長官、専門部会の安冨潔部会長にあてた申入書は次のような内容だ。

「収容長期化の問題への対策が、もっぱら『送還忌避者』を日本からいわば追い出す方向でのみ議論されていること、またその議論が当事者の声を聞かないまま進められていることに、私達は強い危惧をいだいています」

「過酷な収容をへても帰国しないのは、帰るに帰れない事情をそれぞれにかかえているからです。難民であること、あるいは日本に家族がいること、長期間日本に滞在してきて国籍国にはすでに生活基盤がないことなどです」

「収容・送還は、当事者にとって命にかかわる問題と言っても過言ではありません。当事者たちの実情を具体的に知らず軽々しく議論してよい問題ではありません」「当事者である仮放免者・被収容者から状況・意見を聞く場をもうけてください」

有識者による専門部会は10月21日に初会合を開いており、この日(11月25日)は3回目の開催日だった。委員から「送還を拒否している人について何らかの罰則を検討すべき」という指摘もあったと報じられている。今年度をめどに最終報告書がまとまる予定とされている。

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