香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントは、新型コロナウイルスの感染拡大による相場の急落にもかかわらず、日本株への強気の投資を継続している。 

セス・フィッシャー氏

Photographer: Anthony Kwan/Bloomberg

 創業者で最高投資責任者(CIO)のセス・フィッシャー氏はブルームバーグの取材に対し、日本企業は豊富な現金資産を持ち、米国企業に比べてレバレッジが低いと指摘した上で「日本株の多くは下落し過ぎている。私はベリー・ブリッシュ(とても強気)だ」と述べ、既存投資先の株式を買い増し、新規投資も行っていることを明らかにした。

  特に魅力のある銘柄については、不動産会社で非常に割安な銘柄が複数あるとしたほか、優れた知的財産(IP)を持ちながら短期的に売り浴びせられている企業もあると説明。製造業にも過度に売られた銘柄があり、これらは「歴史的に見て素晴らしい価格になっている」との見方を示した。個別銘柄には言及しなかった。

  新型コロナ感染拡大の影響で、危機に備えてより多くの企業が内部留保を重視する傾向については、「危機であるのは理解できるが、経済は動いており、銀行融資や債券市場が利用できなくなったわけではない」とし、多くの企業が過剰に内部留保をため込んでいるとの認識に変わりはないとした。

  その一方で、オアシスは企業との対話において、現在の環境下では配当より自社株買いを重視するという。フィッシャー氏は「株価が割安な今は自社株買いの絶好の機会だ。今の安い株価で買えるよう、迅速な実施が求められる」とした。 

サン電子の木村体制を支持

  一方、投資先のサン電子が8日開いた臨時株主総会で、オアシスが求めていた山口正則前社長ら取締役4人の解任とオアシス出身者らの取締役選任案が可決されたことについて、フィッシャー氏は「多くの投資家に変革の必要性を説いて回った結果だ」と振り返った。

  サン電子は現在、外部出身の木村好己氏が社長を務めている。フィッシャー氏は木村社長について「刷新された取締役会と共に働いてほしい」と話し、木村体制を支持する意向を示した。

  オアシスが推薦して選任された取締役5人のうち、3人は会社側提案と重複していない。これらの取締役が会社やほかの株主の利益よりオアシスの利益を優先するのではないかという懸念に対しては「取締役は全ての株主や従業員ら利害関係者全体のために仕事をする」と明言。今回の株主提案の勝利を「コーポレートガバナンス(企業統治)の好事例となるよう、支援して成功させたい」と意気込んだ。

(6段落以降を追加し更新します)

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