感染症対策で、マスクを手放せない日々が続く。ファッションブランドから、おしゃれなマスクも続々と登場している。服飾のプロだけに、デザイン性に加えて、素材やつけ心地にもこだわった商品が多い。洋服とのコーディネートも楽しんでみては。

ブランドこだわり、コーデ楽しく

(左から)エズミ、ワイズ・バングオン!、ソマルタ

マスクが服と同じ柄や同系色なら、いま流行の「ワントーンコーデ」の印象に。エズミは、2020年春夏のオリジナルチェック生地を表地に使ったマスクを発売した。中に伸縮素材、顔に触れる部分には綿100%のガーゼを用いた3層構造だ。3300円。

モノトーン好きなら、ワイズのジェンダーレスライン「ワイズ・バングオン!」のロゴ入りマスク。山本耀司が創設し今はデザインチームが手がけているが、山本の世界観を象徴する黒で、伸縮性のあるジャージー生地を使う。3枚1組で4180円。

東京ブランドらしい独創的な試みも。ソマルタのマスクは、得意とする無縫製ニット「スキンシリーズ」と同じニット地。丈夫で通気性が良く、天地どちらでも着けられるようにと何度も試作した。デザイナーの廣川玉枝は「服飾産業の一員として少しでも社会の役に立つことを考えて始めたこと。今後マスクの装着はマナーのひとつになり、よりファッション性の高いデザインが求められるのでは」という。4290円から。

遊び心も高級感も

マスク、おしゃれアイテムに

(左)ミントデザインズ、(右下)チエ・イマイ、(右上)大野屋總本店

チンパンジーの顔になれる遊び心あるマスクは、ミントデザインズのものだ。2枚1組で3080円。

高級感の漂うエレガント派のマスクは、チエ・イマイ。レース刺繍(ししゅう)やビーズをあしらったドレスなどと同じ高級な生地で作った。サイトを見て、海外からも注文があるという。3300円から。

足袋づくりの技を生かしたマスクもある。江戸時代からの足袋や和雑貨の老舗、大野屋總本店(東京都中央区)は、ガーゼマスク5枚1組3850円などを販売。肌触りを良く仕上げるために木づちでたたくなど、足袋と同じ工程で作られているという。店頭には、麻や色柄のものも。

マスク、おしゃれアイテムに

(左から)三越伊勢丹、三陽商会

マスクの購入でチャリティーに参加できる試みも出てきた。三越伊勢丹は、アニエスベー、ツモリチサトなど40を超えるブランドの生地から100種類以上のマスクを販売。新型コロナウイルスの影響で仕事が減った国内の縫製工場に生産してもらい、収益は日本赤十字社に寄付する。17日10時からオンラインのみで売る。1650円。

三陽商会が18日正午にオンラインで売り出すマスクは国内工場で生産し、売り上げの一部を子ども食堂やひとり親を支援する団体に寄付する。服地を表地に使い、ストライプやチェックなど、とり入れやすそうな16種類がそろう。990円。

コロナ前から注目

マスク、おしゃれアイテムに

(左から)マリーン・セル、PITTA MASK

マスクをファッションアイテムとして提案する動きは、コロナ前からあった。昨年からパリ・コレクションで発表していたのがマリーン・セルだ。テーマ「核戦争後の世界」からイメージした、服と共布の防護用マスク風。今春のパリ・コレ会場で観客がつけて目立っていた。

色つきマスクを広めたのが、製薬会社アラクス(名古屋市)の「PITTA MASK」。伸縮性のポリウレタン素材で、白を13年に発売。「マスク姿はダサいから、花粉シーズンのおしゃれはあきらめている」という消費者の声を知り、グレーを翌年に出した。日本や中国のアイドルが着用し、SNSで広まった。

現在、ピンクやカーキなど、大人用と子ども用を合わせて14色展開。担当の松下昌弘さんは、マスクが店頭に戻りつつある今も好きな柄で自作する人などを念頭に、「どうせなら気分が上がるものを使いたい、という人々の思いを感じる。ファッションとしてのマスクを受け入れる素地があるのだろう」と話す。
いずれも価格は税込み。主にオンラインストアで販売。

(神宮桃子、編集委員・高橋牧子)

<マリーン・セルの写真は大原広和氏撮影、他は提供>

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