麻生太郎財務相と日本銀行の黒田東彦総裁は22日、都内で会談し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で深刻な打撃を受けている経済の支援策などについて意見交換を行い、事態収束のため連携してあらゆる手段を講じていくとの共同談話を発表した。

  主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などの国際金融会議以外の機会に財務相と日銀総裁がそろって会見し、共同談話を発表するのは異例だ。会談では、新型コロナの影響緩和に向けた政府と日銀のさまざまな取り組みが、企業の資金繰り確保と市場安定に成果を挙げているとの認識で一致した。

  麻生財務相は、感染拡大の影響が続く現状は「極めて厳しい」との認識を示し、「一刻も早い脱却を考える必要がある」と強調。日銀総裁との会談によって、政府・日銀が連携して対応していることを世界に発信することは「国益に沿う」と語った。

  黒田総裁も、感染拡大の影響が日本で収束しても他国で収束しなければ、収束後の景気は「必ずしもV字回復にならない可能性がある」と指摘。コロナの影響次第では、必要に応じて「躊躇(ちゅうちょ)なく追加的な緩和措置を講じる」との考えを改めて表明した。

黒田日銀総裁と麻生財務相(2019年6月のG20で)

Photographer: Kim Kyung-Hoon/Pool via Bloomberg

  また、政府が2020年度の第2次補正予算の編成作業を進める中、財政出動によって国債が増発されても、長期金利をゼロ%程度に誘導するイールドカーブ・コントロール政策の下では、長期金利が上昇しないように「自動的にポリシーミックスが働く」との見解を示した。

  共同談話では、「企業金融の円滑化と金融市場の安定に努め、事態を収束させるためにあらゆる手段を講じる」とし、感染収束後に「日本経済を再び確かな成長軌道へと回復させていくため一体となって取り組んでいく」との方針を明確にした。

日銀は資金繰り支援強化

  日銀は同日午前開いた臨時の金融政策決定会合で、中小企業などの資金繰り支援のための新たな資金供給制度の導入と、新制度を含めた総枠約75兆円の資金繰り支援を目的とした特別プログラムの創設を決定した。

  新たな制度は、政府の緊急経済対策における無利子・無担保融資や、新型コロナウイルス対応として信用保証協会による保証を受けている金融機関を通じた融資などが対象。

  コロナ対応を巡っては、政府が2020年度の第2次補正予算の編成作業に着手するなど財政拡大が避けられない中で、日銀はイールドカーブ・コントロール政策の下で上限を設けない国債買い入れを表明するなど、政府・日銀の連携が深まっている。

(共同談話の内容を追加して更新しました)

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