ドイツ人の父と日本人の母を持ち、両国で人生の半分ずつを暮らしてきたコラムニストのサンドラ・へフェリンさん。新刊の『なぜ外国人女性は前髪を作らないのか』の中で、日本人女性は離婚調停中でもないのに夫の悪口を頻繁に言うことが不思議だと明かしています。そこには、仕事選びと結婚相手選びにまつわるドイツと日本の価値観の違いがありました――。


ドイツでは、CAや女子アナは憧れの職業ではない


——日本では、女性は若くきれいに見えるようにしていないといけない、「化粧はマスト」といったプレッシャーや「家事育児をこなさなきゃ」といった見えない圧が強いことを指摘されています。ドイツではいかがですか。


サンドラ・ヘフェリンさん(写真=本人提供)


【サンドラ・ヘフェリンさん(以下、サンドラ)】ドイツではそういった圧は少ないですね。「女性は子どもを産むべきだ」「家事をすべきだ」などと言う人はほとんどいませんし、若さにはそもそもそんなに価値を置いていない。日本では、若く美しい女性が多いCAや女子アナ、受付嬢といった職業が憧れの的になったりしますが、ドイツではそうした風潮もありません。


これには、主に二つの理由があるのかなと思います。一つは、採用の際には外見や若さではなく、学校や大学で何を学んだかが重視されるから。もう一つは、ドイツ人はお金にシビアだから(笑)。仕事を選ぶ際は男女とも、定年まで自力で食べていける収入を得られることが第一条件なんです。


若さに価値がないからパパ活は成立しない


日本には、生活費は夫が稼いで妻は家で趣味の教室を開いている、といった夫婦もいて、一部の女性にとってはそれが「憧れのスタイル」だったりもします。でも、ドイツでは女性はあまりそういうスタイルを目指さないほうが良いとされています。ドイツでは夫婦とも同じぐらい働いて、それぞれが自活できるだけの収入を得ていることが多いです。


だから、家事育児も平等に負担するのが常識とされています。ただ、女性は出産するとどうしてもキャリアにブランクができますから、現状の制度だと男性より年金が少なくなりがちです。この問題は、報道はもちろん若い女性向けの雑誌でもよく取り上げられていて、性別・年代問わず関心が高いですね。


このように、女性も男性と同じく一生働くことが大前提なので、若さが有利に働く職業に価値を見いだす人はあまりいません。恋愛や結婚でも同じです。女性が若くても年齢を重ねていても、扱いにはさほど差がないんですよ。若い女性を好む中高年男性は、むしろ「恥ずかしい人」という感じ。だから「パパ活」も成り立ちません。若さ=価値という前提がないので需要がないのです。



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