2020年冬モデルとして、シャープ製のミドルレンジモデルのスマートフォン「AQUOS Sense4 Plus」が昨年12月に発売されました。

AQUOS Sense4 Plusはシャープの定番ミドルレンジスマホ「AQUOS Sense4」のバリエーション端末の一つで、搭載しているSoC(CPU)はそのままに、動作メモリ(RAM)の倍増やディスプレイサイズの大型化(記事執筆時点でのAQUOSスマートフォンでは最大となる6.7インチ)など、スペック上においては無印のAQUOS Sense4からのアッパーモデルという位置づけとなります。

さる理由からAQUOS Sense4を購入して、その高い完成度を気に入っていたことや、ディスプレイ大き目のスマホの新しいモデルを欲していた中、電話番号乗り換え(MNP)で、SIMフリー版の本機を安価に購入する機会があったため購入しました。

せっかく、同一世代の同一メーカー、同一シリーズのバリエーション違いのスマホが両方手元にあるので、これは比較レビューするしかありません。

ということで、本記事はAQUOS Sense4 Plus(SIMフリー版)の端末レビューを無印のAQUOS Sense4との違いや強化点と実は強化されてなかった点などの比較もあわせてお送りしたいと思います。

〇外観や機能の違いなどを比べる

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前面には約6.7インチ、2,400×1,080ドット(画面解像度FHD+)のTFT液晶ディスプレイに800万画素(標準)+190万画素(深度測定用)のデュアル構成のインカメラ、通話および外部ステレオスピーカー、通知用LED、近接および、照度センサーがあります。

背面側には4,800万画素(標準)+500万画素(広角)+190万画素(マクロ)+190万画素(深度測定用)のクアッド構成のメインカメラ(撮影用ライト付き)、指紋認証センサー、おサイフケータイ対応のFelicaおよびNFCセンサーが配置されています。

天面側には3.5mmイヤホンジャックと動画撮影用マイクがあり、底面側には通話および動画撮影用マイク、外部ステレオスピーカーUSB Type-C端子があります。外部スピーカーについては横持ち時に左右へ配置されることとなります。

左側面にはSIMカードスロット、右側面には電源キー、音量キー、アシスタントキーがあります。アシスタントキーはあくまでも「アシスタント機能を呼び出すため」の物理キーであり、Googleアシスタントかエモパーの起動のみを登録することができます。(これは他のAQUOS Sense4シリーズ機も同様です)

SIMカードスロットはDSDV(DualSIM DualVoLTE)に対応で、スロット2がmicroSDカードとの排他仕様になっているほか、無印AQUOS Sense4とは異なり、SIMピンを使用しないとSIMカードスロットへアクセスできないものとなっています。

基本スペックとしてはSoC(CPU)がクアルコム製のSnapdragon 720G(2.3GHz+1.8GHz オクタコア)、動作メモリーが8GB RAM、本体ストレージが128GB ROM、バッテリー容量が4,120mAhで、SoCは無印AQUOS Sense4と同じものながら、動作メモリーは2倍(4GB RAM→8GB RAM)となっており、大画面を活かしたマルチウィンドウ機能での利用などを見越した強化がなされています。

外形は縦 約166mm×横幅 約78×厚さ 約8.8mm。本体重量は約197gと、AQUOS Sense4と比べて筐体サイズが大きくなったことによる重量が増加していますが、その差は20gで持ってみるとそれほど気になるものではありません。

本機以外のAQUOS Sense4シリーズの端末は金属筐体を採用していますが、本機は樹脂製の筐体を採用していることもあって本体重量の増加はわずかなものに収まっているようです。

直接本体スペックとは関係ないのですが、国内の大手MNOキャリアが取り扱っているスマートフォンと異なり、付属品にUSB充電器が付属しています。

また、SIMカードスロットを取り出すのにSIMピンが必要なことからSIMピンも付属しています。(Plus以外のAQUOS Sense4シリーズのスマホは手の爪で引き出す機構のためSIMピンが不要)

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▲AQUOS Sense4 Plusの個装箱の中身

〇ホーム画面とプリインストールアプリ

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▲AQUOS Sense4 Plusのホーム画面

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▲AQUOS Sense4 Plusのアプリケーション一覧

ホーム画面はGoogle Discover+2枚の全3画面、アプリケーション一覧は1ページにすべて収まってしまっています。

今回筆者はgoo Simsellerにて購入しているためプリインストールアプリにNTTレゾナント製のgoo関連サービスのアプリがいくつか見られます。もちろん、楽天モバイル版であれば、「楽天LINK」や「my楽天モバイル」などのアプリがプリインストールされます。

その他には「SHSHOW」や「からだメイト」などのシャープ製のアプリや「おサイフケータイ」のほか、Adobeの画像編集アプリ「Photoshop Express」、ハイブリッドラジオに対応したFMラジオチューナーを搭載していることもあってラジオ取聴アプリの「radiko+FM」がプリセットされています。

あとはGoogleMapやGmailなどのAndroidスマホではお馴染みのGoogle製アプリがあるのみで、購入した通信キャリアや店舗によってプリインストールアプリが用意されますが、自由にアンインストール可能となっており、比較的シンプルです。

〇AQUOS Sense4 PlusをAQUOS Sense4と色々比べてみる

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▲AQUOS Sense4 Plus(左側)とAQUOS Sense4(右側)の比較。その違いは一目瞭然

続いて、AQUOS Sense4 PlusをAQUOS Sense4との違いなどを比較してみましょう。

まずディスプレイですが、AQUOS Sense4 Plusは画面サイズが約6.7インチに対してAQUOS Sense4は約5.8インチと一回り以上の大きさの違いがあります。前述していますが、ディスプレイが大きくなったことによる本体サイズそのものが大型化しています。

またディスプレイの性能面においてはAQUOS Sense4 Plusはシャープのフラグシップモデルスマホ「AQUOS R3」以降に搭載されている「なめらかハイスピード表示」機能を搭載しており、動画や一部のゲームアプリなどの動作をよりスムーズに楽しむことができます。

一方で、AQUOS Sense4のディスプレイがIGZOディスプレイであることに対し、AQUOS Sense4 Plusは通常の液晶ディスプレイとなっており、画面の発色の鮮やかさにおいては若干劣ってしまっています。(見比べなければ、わかりにくいですが)

折角の大画面なのにこれはちょっと惜しいですね。

カメラの構成も両者で大きく異なります。AQUOS Sense4 Plusのリアカメラは標準(約4,800万画素)+広角(約500万画素)+マクロ(約190万画素)に対し、AQUOS Sense4のリアカメラ構成は標準(約1,200万画素)+広角(約1,200万画素)+望遠(約800万画素)と、同じ3カメラ構成でありながら、マクロカメラはPlusのみ、望遠カメラは無印のみという大きな違いがあります。

インカメラではAQUOS Sense4 Plusは広角(約800万画素)+深度センサー(約190万画素)のデュアルカメラ構成に対し、AQUOS Sense4は広角(約800万画素)のみのシングル構成となっており、インカメラを利用したグループショットはAQUOS Sense4 Plusに分があると見ていいでしょう。

気になったのは、AQUOS Sense4 Plusのリアカメラ利用時、カメラから取り込まれた映像が粗くなっている点。カメラアプリの調整不足なのか、単なる不具合なのかはわかりませんが、できれば早急に修正してもらいところです。(撮影した画像自体は普通にキレイに撮れている。またサードパーティ製のカメラアプリでは映像が粗くなっていないのも調整不足を感じた点です)

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画像AS4P09キャプション「AQUOS Sense4 Plusのカメラアプリの画面(上側)と実際に撮影した写真(下側)。一目見て、アプリ側の画像が粗いのがわかる」

また、前述の調整不足なのか、十分に明るい場所ではそうでもないのですが、夜間どころか夕方ですら、撮影時のピントがうまく合わずにブレた写真になってしまうことが頻発しました。

キチンと撮影してしまえば写真はかなりキレイに撮れるのですが、非常に惜しいというか勿体ない部分ではあるので、こちらも早い修正に期待したいところです。

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▲撮影画像サンプル(AIオートで撮影しリサイズのみ行ったもの)

ベンチマークテストでの比較は以下の通りで、SoC(CPU)こそ同じものを搭載していますが、AQUOS Sense4 Plusは無印Sense4の倍となる8GB RAMものハイエンドモデル並みの動作メモリーを搭載していることもあり、PC Markでのベンチマーク比較では大きな差をつけています。

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▲AQUOS Sense4 Plusのスコア(左側)とSense4のスコア(右側)を比べると大きな差が出ているのがわかる。それでも、スコアランキング(中央)を見てみると近似スコアの端末はミドルハイクラスの端末になりますが(スコアは3回計測した中央値のものを使用)

一方で、ゲームアプリの動作などにおいて特に影響が出るであろう、3D描画能力を計測する3D Markでは誤差程度の違いはありましたが、ほぼ同一のスコアとなっています。。

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▲AQUOS Sense4 Plusのスコア(左側)とSense4のスコア(右側)。既にスコアランキング(中央)に両者の名前が登録されているが、筆者の計測スコアも参考として掲載

ゲームアプリなどで遊ぶ場合の3Dモデルの表示能力などはほぼ同じですが、AQUOS Sense4 Plusであれば、大画面を活かした遊びやすい(操作しやすい)環境で遊ぶことが出来るので、エンターテイメント方向においては筆者としてはPlusの方がオススメです。(後述しますが、スピーカーの点もありますし。)

〇その他のチェックしておきたい両者の違い

他にも細かい部分での両者の違いがありますので、こちらでまとめて紹介します。

・「AQUOS Ssense4 Plus」の方がバッテリー容量は少ない

筐体サイズが大きくなっているので、それに伴って本体内蔵のリチウムイオンバッテリーのバッテリ容量が多いくなっているかと思いきや、AQUOS Sense4(4,570mAh)よりも少ない4,120mAhとなっています。

これでも十分に容量は大きい方ですが、連続駆動時間は若干短めになっていますので覚えておくといいでしょう。

・ステレオスピーカー搭載

AQUOS Sense4 Plus以外のAQUOS Sense4シリーズ機は外部スピーカーがモノラルとなっていますが、AQUOS Sense4はステレオスピーカーとなっています。画面が大きいことも含め、ゲームや動画の視聴などにおいては非常に大きいメリットでしょう。

・ロボクル非対応

AQUOS Sense4 Plusは他のAQUOS Sense4シリーズ機では対応しているエモパー連携の回転する充電台「ロボクル」に対応していません。(エモパー自体は搭載していますが)

上位機扱いにもかかわらず非対応なのは大型化してしまったからかもしれませんね。

・指紋認証センサーが背面側へ移動

他のAQUOS Sense4シリーズ機やAQUOS Rシリーズではディスプレイ下にノッチ(切り欠き)部分にホームキーを兼ねた指紋認証センサーが背面側へ移動し、指紋認証センサーをホームキーにしたり、ジェスチャーを登録するといったことができなくなりました。

もちろん、標準のジェスチャーナビゲーションなどは利用できるので、そちらで代替えすることになります。

・本体ストレージが2倍

前述の通り、動作メモリーが倍増しているほか、本体ストレージもAQUOS Sense4の64GB ROMから128GB ROMへと増量されています。メイン端末として使っていくなら、64GB ROMではかなり心もとないですが、128GBあれば十分でしょう。もちろん、microSDカードでさらに補完(最大1TBまで)できるので、アプリや動画、コンテンツなどを沢山保存できます。

〇実際に使ってみて感じたAQUOS Sense4 Plus

AQUOS Sense4 Plusは昨年リリースされているAQUOS Sense3とAQUOS Sense3 Plusの違いのような「すべての面でPLUSの方が上回っている」というわけでなく、個人的にはですが「AQUOS Sense4世代の別コンセプト機であって上位モデルとは思いづらい」と感じました。

特にSense3 PlusとSense4 Plusを比較するとSense4 PLUSはディスプレイがIGZOでなくなっていたり、Sense3 PLUSに搭載されていた音響システムの「Dolby atmos」がなくなっていたりとSoCや動作メモリーなどの基本スペック以外の部分での見劣りがどうしても目立ってしまっています。

とはいえ(ここ大事)、基本スペックそのものは現行の国内メーカーがリリースしているミドルレンジスマートフォンとしては頭一つ抜けた性能であることは間違いなく、ディスプレイもIGZOではないことを差し引いても必要十分なものであるし、背面側に指紋認証センサーが移動した点も、結果として前面の画面占有率が高まり、コンテンツ試聴やゲームアプリで遊ぶ際の没入感は向上しています。

さらに、キャンペーンや電話番号持ち込み加入(MNP)を利用して購入できればAQUOS Sense4よりも安く買えてしまうこともあるため、「安価で手に取りやすく、性能の頭一つ抜け出たちょっと上のミドルレンジ」として大変魅力的なスマホであることも間違いありません。

かなり大きいスマホであるため、人によっては片手での操作は少し難しいかもしれませんが、ミドルレンジながら動作は軽快で、使ってみると意外なほどしっくりくる使い勝手の良さは店頭などで一度試してみる価値ありです。(でもシャープさん、早くカメラ周りの不具合のアップデートしてくださいね)

関連リンク:AQUOS Sense4 Plus


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