青森山田の黒田剛監督(左)と山梨学院の長谷川大監督(C)朝日新聞社

 11日に行われた第99回全国高校サッカー選手権決勝は、山梨学院(山梨)がPK戦の末に青森山田(青森)を下し、11大会ぶり2度目の優勝を果たした。試合後は、選手のみならず、両校を指揮した監督の手腕、言動にも注目が集まった。戦術以外でも浮き彫りになった両監督の「違い」とは。

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 青森山田の黒田剛監督(50)は、1994年から青森山田を率いるベテラン。同校を強豪校に育て上げ、これまでに日本代表のMF柴崎岳やDF室屋成など、数多くの選手を育ててきた名将だ。

 対する山梨学院の長谷川大監督(47)は、就任2年目。就任1年目こそ県内タイトルはゼロだったが、今大会はタブレットやインカムなどの電子機器を駆使した情報戦を展開し、チームを11年ぶりの優勝に導いた。

 長年高校サッカーを取材しているスポーツライターの安藤隆人氏は、両監督の戦略について次のように語る。

「(毎年優勝候補に名を連ねる)青森山田は、常に研究される側です。そこで黒田監督は、どのチームに研究されてもいいように、球際の厳しい寄せや、『ゴールを隠す』堅守のサッカーを徹底させることで、相手に対して隙を与えないサッカーをします。そのスタンスは『不惑』。どっしりと構える横綱のように映ります。一方の山梨学院・長谷川監督は、大学と高校両方の監督を経験してきた珍しい監督です。FWの久保壮輝選手に、パスの供給源になっていた青森山田のCB・藤原優大選手をマンマークさせるという大胆な戦略をとりました。これは、長谷川監督が神奈川大監督時代に早稲田大と対戦したときに奏功した戦略。大学で通用した戦略を高校サッカーに落とし込むことで、青森山田のリズムを崩すことに成功しました」

 決勝戦のシュート数は、青森山田が24本、山梨学院が7本。試合は青森山田が優勢のように見えたが、安藤氏は、2-2の結果は妥当だったと分析する。

「山梨学院の長谷川監督は、マンマークの奇策が通用するのは前半45分だけと割り切っていた。あの戦略にすがっていたら、後半で3~4点取られていた可能性も十分あったと思います。青森山田がゲームを支配していましたが、山梨学院は攻守において要所にマンパワーを割くことで、少ないチャンスをものにして相手の決定打を間一髪で防ぎ、2点までに抑えてPK戦に持ち込んだ。まさに、決勝にふさわしいゲームだったと思います」



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