株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏(左)、オオノ開發株式会社 代表取締役 大野剛嗣氏(右)

 SUPER GT最終戦「2020 AUTOBACS SUPER GT Round8 たかのこのホテル FUJI GT300km RACE」(以下、最終戦富士)が、11月28日~29日の2日間にわたり富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催されている。11月29日の13時からは決勝レースが行なわれているが、それに先だって午前中にはSUPER GTのプロモーターであるGTアソシエイションの定例会見が実施された。

 この定例会見で坂東代表は、2020年シーズンに富士スピードウェイで開催された4レースにおいてラウンドパートナーとなった「たかのこのホテル」の運営会社に対して感謝の意を表明したほか、2021年についても引き続き感染対策を行ないながら開催を目指す姿勢を明らかにした。

富士スピードウェイの4レースでラウンドパートナーになった、たかのこのホテル 大野代表がスピーチ

オオノ開發株式会社 代表取締役 大野剛嗣氏

 GTAの定例会見は坂東代表が1人で行なうことが多いが、今回は冒頭にゲストが登壇してあいさつを行なった。今回ゲストとして登壇したのは、第1戦、第2戦、第5戦、そして今回の最終戦で「ラウンドパートナー」(いわゆる冠スポンサー)となった、「たかのこのホテル」の運営会社であるオオノ開發株式会社 代表取締役 大野剛嗣氏。

 同社はSUPER GTのGT300にもMAX Racingとして244号車 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組、YH)をエントリーしてたかのこの湯のカラーに塗られたLEXUS RC F GT3を走らせており、GT300に注目しているファンにとってはおなじみのチームだ。

244号車 たかのこの湯 RC F GT3(久保凜太郎/三宅淳詞組、YH)

 大野氏は「本来のスケジュールでは岡山の開幕戦で冠スポンサーになる予定だったが、コロナ禍の中で富士からの開幕となり、坂東会長のご後援もあって富士での4つレースでスポンサーを務めることになった。自分はスーパーカー世代で、自分でもレースを始めたりしているが、若い子達にもっとクルマに興味を持ってほしい、モータースポーツは楽しいということを伝えたくてスポンサーをしている。SUPER GTというコンテンツは優れたもの、それのスポンサーになることは光栄だ。今年からチームも参戦させており、単発ではなく続けて行くことが大事だと考えている。カーシェアとか流行で、若い人には若い人の価値観があるが、走っている我々の年代がモータースポーツは楽しんだということを伝えていきたい。そういう想いが伝わればいいなと思って、来年以降もSUPER GTだけでなく、モータースポーツ全体として取り組んでいきたい」と述べ、文化としてのモータースポーツを大事だと思っているからこそ、スポンサーとして参画したと熱い想いを語ってくれた。

 これに対してGTAの坂東会長は「コロナ禍の中で、岡山での冠スポンサーをお願いしていたのだが、その岡山やオートポリス、SUGOなどでの開催が難しくなった中で、富士のレース4戦すべてをスポンサードしていただいた形になる。もちろん資金面もそうだが、一緒にモータースポーツを大きくしていくコンテンツ作りをしていきたいと考えている。今後より多くの(新しい)モノを取り入れて、日本の中でモータースポーツを続けていける環境作りをしていきたいので、今後もご協力をお願いしたい。特に前半戦の2レースに関しては(お客さまを入れることができず)デジタルコンテンツしかない環境の中でもご支援いただき感謝している。今後より多くのお客さまに入っていただき、よりよいモータースポーツを実現し、スポンサーのみなさまにもお返しできるようにしていきたい」と述べ、感謝の意を表明した。

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏(左)、オオノ開發株式会社 代表取締役 大野剛嗣氏(右)

 2020年のSUPER GTは前半4戦が無観客で、後半4戦が制限された環境の中で有観客でレースを行なっており、観客のチケット代に収益基盤をおいているサーキット側や、GTAなどのプロモーターにとっても厳しい年だったことは容易に想像ができる。今回紹介された「たかのこのホテル」の運営会社であるオオノ開發、さらにはモビリティランドのサーキット(鈴鹿、ツインリンクもてぎ)でラウンドパートナーになったFUJIMAKI GROUPなどの貢献が、今年のコロナ禍の中でSUPER GTが継続して行なわれたことに貢献が大だったとGTAが考えているからこそ、鈴鹿ではF&Cホーfルディングスの代表取締役社長 兼 COO(最高執行責任者)藤巻秀平氏が(別記事参照)、今回の富士では大野氏が呼ばれて登壇したのだろう。

2020年にDTMとSUPER GT双方がマシンを交換するという幻のプランについて言及

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏

──冒頭に坂東代表からコメントを。

坂東代表:全8戦を、なんとかみんなの努力でやってくることができた。昨年はこの日付ではITRとの交流戦をやっていた。やや寒いが天気は快晴で、天候に恵まれてここを迎えることができた。こうした環境の中で、報道の皆様には、モータースポーツファンの方々にいろいろなことを伝えていただきたい。

──GTAを先頭に感染対策に取り組んで全8戦をやってこれた、日本モータースポーツ記者会としても感謝したい。コロナ禍のシーズンを終えてその感想は?来シーズン21年に向けては?

坂東代表:みんなで努力してやった結果がここにある。みんなでコロナを乗り切り継続性をもってやってこれた。これは、みんなで取り組まないといけないこと。お礼を言われるよりも、継続してやっていくことが大事で、記者の皆様とも一緒にモータースポーツを多くの人に知っていただけるように一緒にやっていきたい。

 オーガナイザー、プロモーター、JAFを含めて皆で協力して自分たちのロードマップ、ガイドラインを作り上げてきたことが大きかった。できること、できないことは経済力の問題もあるが、モータースポーツ業界が一丸となってコロナに対して取り組んで頂いた。我々の会社もかなり厳しいことをマンパワーでやっており、従業員スタッフが疲弊するぐらいの状況の中でなんとか乗り切れた。

 その中でこの最終戦を迎えている。

 現在は第3波が取り沙汰されており21年もあまり状況は変わらないかもしれない。その時には同じ方法論で、お客様をちゃんと呼べる形をプラスアルファとして考えないといけない。後半4戦はお客さまに入っていただいてやっているが、従来と同じにはいけないので、収支は厳しくなっている。

 しかし、それでも(コロナ禍の前は)お客さまの席を満席にするつもりでやってきており、それを目標にしてきたので、コロナ禍の中でもあっても、しっかりと感染対策をしながらより多くのお客さまにお越しいただける環境やシステムを作っていくことが大事だ。もちろん、今年から始めているデジタルコンテンツも重要でそれも続けて行くが、自分達がここにいる以上多くのお客様にサーキットに集まっていただき、五感を研ぎ澄まして楽しんでもらう、その中でやっていかないといけない。

 来年はガイドラインをプラスアルファでもやっていかないといけないし、すべてのサーキットに行く。公共交通機関を使ってサーキットに行くということも考えていく。今回は岡山国際サーキットの関係者に来て運営の状況などを見てもらっている。最悪の状況から、経費や運営のシミュレーションなどをしてもらっている。その中では万が一の状況でもできる方法論でやっていく。

 あともう1つ大事ことはオリンピックのスケジュールだ。8月に予定されている2レース目の富士をどこに入れるのか、カレンダーの調整をやっていきたい。来年は今年の基盤からスタートすることになる、より多くのお客様に見て頂きたいので、スタンドを満席にするにはどうしたらいいか方法論を検討していく。

──前回の会見でもクラス1規定で行なわれているGT500は2021年は開発凍結と聞いているがDTMがクラス1レギュレーションを止めることになる影響は? 2024年に新型車両に移行という話があったが、その進捗状況は?

坂東代表:ベースの考え方として3年間は同じ車両レギュレーションでやる。今回は2021年が凍結としたので、その結果2020年からの現行レギュレーションが2023年までとなり、2024年から新しいものが入るという形になる。21年の凍結に関してはエンジン、空力に対しては凍結する。それで21年前半をやってみて、マニファクチャラーと話をすることになる。

 その段階で凍結解除してほしいとか、戦闘力に著しい偏りがあるので変えたいということなら、そこでデータを検証して、2022年に向けてどうするかを話し合い、2022年に向け導入した場合にはそれを2023年にも使ってもらう。

 シーズンオフのテストに関してはGTAで来年の3月にコントロールしていく。15台+開発車両3台に対して時間を設けてテストしていく。また、タイヤメーカーテストにも制限を設け、タイヤメーカーにもマニファクチャラーも一緒にやれるようにお願いしていく。それらは粛々と進めている。

 なお、クラス1規定はあくまで車両規則なので、DTMがどうなると車両規則は継続的にこのまま行なう。ITRのベルガー(ゲルハルト・ベルガー氏)とも話を続けているが、向こうの規則がGT3になったりEVになったりとしているが、SUPER GTは23年まではクラス1で行なう。確かにクラス1はITRとのコラボレーションで始まった名前だが、車両規則として継続していく。次どうするかは環境問題だったりに配慮しながら、マニファクチャラーと話をしながら、2024年の根幹になるものは決めていきたい。例えば、CO2の削減や、再生タイヤのスリックタイヤなども検討していく必要があるが、すべてはマニファクチャラーと話して決めていきたい。

 そうした取り組みの一環として、今回はセーフティカーに天ぷら油が10%入っているバイオ燃料を使っている。それらの効果などを見定めながら、化石燃料もどこまで使っていけるのか、CO2の削減などを実現していけるのか、マニファクチャラーともよく議論して決めていきたい。

──今シーズンはGT300のウェイトハンデはポイント×3kgとなっていたが、これは来年も継続するのか?来年のGT300のタイヤ規則やスポーティングレギュレーションに関する考え方を教えてほしい。

坂東氏:スポーティングレギュレーションに対しては、ポイント×3kgという仕組みは、パワーウェイトレシオでFIA-GT3の方はなんとかなるかもしれないが、元々重量が軽いJAF-GTに関してはどうなのかという議論はある。このレースが終わった時点で、ウェイトが乗ったデータと乗っていないデータの両方を出してもらって、JAF-GTやマザーシャシーに関して考えないといけない。

 タイヤ交換を義務づけにするかどうかは、レギュレーションに入れるというよりは、それぞれの大会で出されるブルテンである程度できるところまで引っ張って、コースの特性なども決めながら考えていかないといけない。特に岡山やSUGOなどのエスケープゾーンが短いショートコースでは、今回の富士でのスピードの車両を持って行って大丈夫かは安全面の方からも何かを考えないといけないと思う。

──海外大会に関しては何か進展があったか?

坂東氏:進展はないです、12月中に決めないといけない。海外戦をやるのは非常に難しい、オリンピック次第ということもある。

──ITRのベルガー会長がオーツスポーツ・Webのインタビューに答えて、今年DTMの2メーカーと日本の3メーカーがそれぞれマシンを出したらという案があったが、最終的には実現しなかったという話があったが、坂東氏の見解は?

坂東氏:元々はクラス1規則を足がかりとして、交流戦後に同じモノで行き来が出来るようにしようという未来を見つめてやってきた。ただ、今の予算、特にマニファクチャラーの予算では欧州にいってマーケティング・営業戦略を考えると今の時点では難しいという結論になった。なので、交流戦をやった訳です。

 まずは交流戦を足がかりにして、例えば向こうの一戦をこっちの一戦に組み込んで見る、こっちの一戦に向こうの1戦を組み入れる。うちの一戦を向こうに組み入れるということを考えていた。自分としてはそういうタイムフレームで考えていたけど、向こうはもう待てないという中で、交流戦の時にDTMで参加出来ますか?とマニファクに聞いた中で、今の現状ではDTMにはいけませんというのがマニファクの意見だった。それで、今の環境でそれが許されるかと言えば、ITRのマニファクはそこまで待てないということで、日本側が参加出来ないのであればという考え方をもったのではないかと思う。

──2024年の新レギュレーションでも、今の3メーカー以外のマニファクチャラーに参加を促進するような仕組みを考えているか?

坂東氏:今のクラス1規定でもEVパーツだったり、モノコックの登録、維持できるような車両が作れるならそれはウェルカムだ。いつでも入ってきて頂きたいと思いますし、DTMとやってる時も来るなら来いだと思ってやってきたので、どこのメーカーでも大歓迎だ。

──最後に坂東代表から一言。

坂東氏:来年も厳しい一年になると思うが、SUPER GTがコアになって、スーパーフォーミュラやS耐なども含めて日本のモータースポーツを盛り上げていかないといけない。今年PCR検査なども、自動車関連メーカー、もうこれ言って大丈夫なんだよね?(司会の広報担当者からオッケーが出る)、モリゾウさんと一緒にやって、今後も協力して頂きたいと思っている。また、今後も自工会、自動車関連企業などと引き続き協力して、SUPER GTをコアにしてやってモータースポーツを盛り上げていきたい。

 今年は「たかのこのホテル」さんに協力してもらったりして本当に助かったが、みんなで協力してモータースポーツをもっと大きくしていきたいと思っている。1年間協力いただきありがとうございました。

株式会社GTアソシエイション 代表取締役 坂東正明氏


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