大勢の観光客らでにぎわう東京・浅草の雷門前=台東区で

  • 大勢の観光客らでにぎわう東京・浅草の雷門前=台東区で

 東京都内を旅行する都民に1人1泊最大5000円を補助する都独自の観光支援事業「もっとTokyo」に、予約が殺到している。国の「Go To トラベル」との併用で高級ホテルの宿泊が実質無料になるケースもあり、売り切れが続出。都は「まだ余裕はある」とするが、残り予算額を明らかにしておらず、予約合戦はさらに過熱しそうだ。 (岡本太、原昌志)

◆旅館「GoToより好反応」

 「もう終わっちゃったんですよ。売り出しからたった2時間でした」

 台東区谷中の「澤の屋旅館」館主、澤功さん(83)が驚いた様子で話す。26日昼から、もっとTokyoの対象となる1泊約9000円の宿泊プランを発売。GoToと組み合わせると宿泊料は863円になり、午後2時すぎには、都から割り当てられた50泊分が完売した。

 もともと客の9割が外国人で、新型コロナウイルスの影響で売り上げは激減。GoToにも登録したが、高級ホテルと比べて割引額が小さいこともあり、そこまで恩恵は感じられなかったという。

 ところが、もっとTokyoには発売前から問い合わせが集中した。澤さんは「ここまで反応があるとは」と喜びつつ、「50泊ではすぐに終わってしまった。都にはもう1度か2度、追加の配分をお願いできれば」と語った。

◆高級ホテルも実質無料

 大手旅行会社や高級ホテルの対象商品でも、完売が相次いでいる。

 千代田区のホテルニューオータニは23日、女性3人での宿泊がGoToの割引と地域クーポン分を合わせ、実質無料になる「もっとTokyo! Motto女子旅」を発売したところ、約2時間で完売した。

 大手旅行会社「JTB」が用意した商品も、23日午後2時の販売開始から1時間で売り切れ。はとバスでも、クルーズ船でフランス料理のランチを味わうツアー(割引後は5170円)などが、約4時間で満席となった。

 過熱する予約合戦に、ネット上などでは「全然予約が取れない」と不満の声が。11月上旬に発売予定の京王プラザホテル(新宿区)では、「いつから販売するのか」と昼夜問わず問い合わせが絶えないという。担当者は「思ったより割り当てが少なく、想定の5分の1ほど。宿泊プランは検討中だがすぐに売れてしまいそう」と漏らす。

 都はこれから販売を始める業者も多いとして「売り切れは全体の一部。まだまだ余裕はある」とする。ただ、全体の販売数や残り予算額は「不要な臆測を呼ぶ」として公表しない方針で、ある大手ホテルの担当者は「配分の見通しを示すなど、われわれにも利用者にも分かりやすくしてほしい」とこぼした。

もっとTokyo 正式名称は「もっと楽しもう!TokyoTokyo」。都民の都内旅行に1人1泊5000円、日帰り2500円を助成する都独自の観光支援事業。40万泊分を用意し、予算額22億円。Go To トラベルと併用する場合は、助成前の旅行・宿泊代金が9000円以上(日帰り4500円以上)、併用しない場合は6000円以上(同3000円以上)が条件。来年3月末までの旅行が対象で回数制限はない。1回の旅行での助成は5泊が上限。予約時や宿泊時に、都民と確認できる身分証明書の提示が必要。


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