年に1回行われる都道府県の地価調査が公表されました。
ことしは新型コロナウイルスの影響が地価に及んでいます。
関西の商業地では人出が減った地域を中心に下落に転じるところが目立ちました。

【滋賀 商業地7年ぶり下落】。
土地取引の目安となることしの都道府県の地価調査が発表され、滋賀県内の商業地は7年ぶりに下落に転じたほか、住宅地も下落幅が拡大するなど新型コロナウイルスによる経済状況の悪化が地価にも影響を及ぼす結果となりました。
「地価調査」は、土地取引の目安として毎年7月1日時点の土地の価格を県が調べているもので、ことしは住宅地や商業地などあわせて383の地点が対象となりました。
それによりますと▼商業地の1平方メートルあたりの平均価格は9万3600円で平均の変動率はマイナス0.5%と、平成25年以来7年ぶりに下落に転じました。
また、▼住宅地の1平方メートルあたりの平均価格も4万6500円で平均の変動率はマイナス1.5%となり、下落幅が拡大しています。
一方、土地の価格が最も高かったのは、▼住宅地が17年連続で大津市のJR瀬田駅近くの「一里山3丁目」となり、価格は16万1000円でした。
▼商業地では、ことし新たに選定された草津市のJR草津駅近くの「大路1丁目」で価格は40万8000円でした。
新型コロナウイルスにより経済状況が悪化し、商業地ではテナントなどの賃料の減少を懸念してリスクを回避する動きが出ているほか、JR琵琶湖線沿いを中心に堅調だった住宅地も影響を受けているということです。
調査にあたった不動産鑑定士の小西靖則さんは「新型コロナの影響が長期化すれば土地の価格がさらに下がる可能性もある。今後の動向を注視したい」と話しています。

【京都 商業地は下落傾向も需要堅調】。
都道府県の地価調査の結果が公表され、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降は、インバウンド需要などから地価が高騰していた京都市中心部の観光地でも下落に転じています。
ただ、感染拡大前の上昇がこれを補う形で府内の「商業地」の平均は7年連続の上昇となり、根強い需要が表れています。
地価調査は、土地の取り引きの目安にするため、都道府県が毎年7月1日時点の土地の価格を調べているもので、京都府では400地点を対象にしています。
このうち「商業地」の平均は、0.4%値上がりして7年連続の上昇となりました。
京都市中心部の大通り沿いは、企業のオフィス需要が依然として高く、最も上昇率が高かったのは、▼京都市中京区の四条烏丸にある「京都御幸ビル」で、去年よりも5.6%上昇し、1平方メートルあたり570万円でした。
次いで、▼中京区の三条河原町に近い「あじびる」では、去年より4.8%上昇し、1平方メートルあたり440万円となりました。
ことしは、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の1月1日時点の「前半」と、7月1日時点の「後半」に分けた地価もあわせて発表されました。
このうち、▼古くからのお茶屋や料亭が軒を連ねる京都市東山区の祇園町は、「前半」は13.6%上昇したものの、「後半」は8%下落し、年間を通してみると4.5%の上昇にとどまりました。
また、▼阪急電鉄や、嵐山に向かう京福電鉄北野線の嵐電の駅がある下京区の四条大宮駅の周辺は、「前半」は5.3%の上昇、「後半」は0.8%の下落で、年間では4.4%の上昇となりました。
「商業地」では、新型コロナの感染拡大の前と後で振れ幅が大きくなっているものの、感染拡大前の上昇が拡大後の下落を補う形となっていて、依然として根強い需要が表れています。

【飲食店店主は】。
祇園町南側地区協議会の幹事で中華料理店を営む太田磯一さんは、最近の状況について、「国内からの観光客が戻り始めているものの日本の企業の宴会が減ってしまい、料理屋やお茶屋さんに関しては、まだ厳しいところがあります」と話しました。
そのうえで、「一定の水準を保っているということは、祇園のブランドが高く評価されているという意味合いだと思います」と話していました。

【地価 大阪は梅田がミナミを逆転】。
ことしの都道府県の地価調査が発表されました。
大阪の商業地では、2年連続でトップだったミナミのビルの地価が下落し、梅田のビルが3年ぶりに首位に返り咲きました。
新型コロナウイルスによってインバウンド需要が急激に減ったことが明暗を分けました。
地価調査は各府県がことし7月1日時点で行い、大阪府では、689地点が対象です。
それによりますと大阪府全体の「商業地」の地価は、新型コロナウイルスの影響で、外国人旅行者が減少しているなかでも1.8%の上昇となりました。
8年連続の上昇で上昇率は全国で4番目となります。
これまで2年連続で大阪の地価トップだったミナミの道頓堀にある「住友商事心斎橋ビル」は、今回4.5%下落して、1平方メートルあたり2330万円となりました。
ミナミの地価はインバウンド需要の高まりで高値が続き、このビルの地価は去年は前の年より45%も上昇しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で海外からの渡航が制限され、インバウンド需要が急激に減った影響が地価にあらわれた形です。
一方、最も地価が高かったのは大阪・梅田にある「グランフロント大阪 南館」で8.8%上昇して、1平方メートルあたり2360万円でした。
2年連続で2位に甘んじていましたが、2017年以来、3年ぶりに首位に返り咲きました。

【首位入れ替わった大阪】。
大阪の商業地では、2年連続でトップだったミナミのビルの地価が下落し、梅田のビルが3年ぶりに首位に返り咲きました。
これまで2年連続で大阪の地価トップだったミナミの道頓堀にある「住友商事心斎橋ビル」は、今回4.5%下落して、1平方メートルあたり2330万円となりました。
この地域は、新型コロナウイルスの感染が拡大する前は多くの外国人観光客でにぎわっていました。
しかし、入国制限が続くなか、インバウンド需要は消失してしまいました。
心斎橋に店舗を置く大阪名物・串カツの飲食店、「串かつだるま」では、感染が拡大するまで、外国人観光客の割合が3割近くを占めていましたが、この半年ほどは来店客の減少に苦しめられています。
串かつだるま第二エリアの岩城隆進 課長は、「地域から外国人観光客がいなくなり、かなり厳しい状況にあるので、早く感染が収束するといい」と話していました。
一方、今回、3年ぶりにトップに返り咲いたのが梅田。
大阪・梅田にある「グランフロント大阪 南館」で8.8%上昇して、1平方メートルあたり2360万円でした。
「グランフロント」をはじめ、梅田エリアでは上昇地点が相次ぎました。
梅田はミナミほどインバウンド需要に依存していなかったことが明暗を分けた形です。
また、コロナ禍でも次々と新しい商業施設やフロアのオープンが相次ぎました。
去年11月には「ヨドバシカメラ」などが入るビルの北側に、およそ200店舗が出店する複合商業施設「LINKS UMEDA」が開業。
今月にはJR大阪駅に直結する商業施設、「ルクア大阪」にアウトドア用品を取りそろえた専門フロアがオープンしました。
緊急事態宣言が出る直前のことし4月1日、梅田に関西最大規模の店舗を出したのがコンタクトレンズメーカー「メニコン」です。
この地域には、コンタクトレンズをよく使う若い会社員や学生の女性が多く集まることから、製品を繰り返し買ってもらおうと、集客が期待できるこの地域を選んだといいます。
メニコン拠点開発推進部の吉福央 部長は、「商圏人口の多さがこの地域の魅力だ。今後も再開発が進むので、期待が高まっている」と話していました。

【鑑定士“コロナ衝撃大きい”】。
関西2府4県の地価調査の結果について、大阪府地価調査代表幹事の山内正己 不動産鑑定士は、「コロナ感染が広がり始めた2月から6月末にかけてどこでも国内需要の減少、インバウンド需要の消滅、後半にかけてはコロナの衝撃が大きく、下落が認められた。徐々にイベントや観光については回復傾向が認められるが、赤字の企業も出てきているのでウィズコロナでなんとか需要を取り込めるような産業が出てこないかぎり地価の回復は難しい」と話していました。

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