世界中で新型コロナウィルスの影響を受けて、各国では出入国制限や都市封鎖がなされてきたが、一部で制限の緩和が始まっている。しかしグローバルな移動は制限されており、見通しは厳しい。日本型IRビジネスレポート(JaIR)では、IRがある主要な地域の新型コロナウィルス関連の動向を配信。シンガポール、マカオ、ラスベガスに引き続き、今回は韓国の最新状況をレポートする。


韓国・仁川(インチョン)にあるIR「パラダイスシティ」

 

韓国での感染は抑制傾向、6月の訪韓客は9割減

 韓国の新型コロナウィルス感染者数は、8月11日時点では、新規感染者が54名、感染者累計は合計14,714名で、現在の感染者は623名、回復者13,786名、死亡者は305名である。

 韓国観光公社が8月10日発表した統計によると、6月に韓国を訪れた外国人は前年同月比97.5%減の36,943人で、アメリカからの訪韓客は9,717人で90.8%減、中国からの訪韓客は5,051人で98.9%減、日本は498人で99.8%減であった。韓国ではすべての入国者は入国から3日以内に診断検査を受ける。

 現在も、「海外入国者に対する防疫管理方案フローチャート」(6月12日設定)に基づき、自宅隔離、政府指定施設隔離、能動監視が行われている。この隔離と能動監視は、14日間実施される。なお、韓国に対して入国禁止措置を取った151の国・地域のうち、韓国は90の国・地域に対するビザ免除措置を暫定的に停止しており、日本も3月9日以降含まれている。

 韓国での新型コロナウィルス感染者は抑制されているが、一方で、記録的な長梅雨により40日間以上の降雨と台風上陸が続き、各地で水害が発生。政府は二重の対応に追われている。

 

外国人観光客が来韓できず厳しい第2四半期、国内旅行キャンペーン開始の動き

  韓国国内で外国人専用カジノ4か所を運営する最大手のパラダイスは、第2四半期決算を発表し、純損失が318.8億ウォン(約28.6億円)、売上高は前年同期比68.1%減の746.4億ウォン(約67億円)近くとなった。カジノ売上高は前年同期比65.7%減の355.5億ウォン(約32億円)に達した。パラダイス社は3月24日に4つのカジノを2週間閉鎖。エンターテインメント施設など非ゲーミング部分も含めて閉鎖していた。4月中旬にカジノを再開しているものの、影響は大きい。

 日本のセガサミーホールディングスとの合弁事業である、パラダイスシティの第2四半期全体の売上高は前年同期比75.4%減の260.2億ウォン(約23.2億円)、カジノの売上高は前年同期比81.5%減の159.9億ウォン(約14.3億円)となった。同施設では7月1日より、パラダイスシティのホテルアートパラディソ、クラブCROMA、スパCIMER、テーマパークWonder Boxなどの一部の非ゲーミング施設も休止している。パラダイスシティの公式ウェブサイトによると、これらの施設は、韓国でCovid-19感染数が急増していることを理由に、「さらなる通知があるまで」継続するとしている。

 セガサミーホールディングスも8月5日に四半期発表を行い、パラダイスシティの1月~3月のドロップ額(テーブルにおけるチップ購入額)が前年同期比で89.2%、カジノ来場者数が前年同期比80.5%と、大幅に落ち込んだことを報告した。ドロップ額は、対前年比で2月は131.5%であったが、新型コロナウィルス流行の影響で、3月24.5%、4月10.6%と落ち込み、カジノ再開後の5月は25.7%、6月には21.9%と少し持ち直したものの、依然として厳しい状況が続いている。施設運営の効率化のため、一部施設の休業、役員の一部退任、従業員の希望退職を実施したと報告。過去のドロップ額の内訳では、日本人VIPが最も大きく、中国人VIPを上回っていたが、渡航制限が緩和されないため、回復には時間がかかる見込みである。

 外国人専用カジノを運営する大手のもう1社、グランドコリアレジャー(GKL)は、7月7日に、6月のカジノ売上高は前月比21%増になったと発表した。この増加は、韓国国内に滞在する外国人の需要によるものである。GKLは韓国観光公社の子会社で、韓国の文化体育観光部に所属しているカジノ運営会社である。韓国で外国人専用カジノ「セブンラック」のブランドで、首都ソウルに2つ、南の港町釜山に1つの計3つのカジノを運営している。

 カンウォン・ランド(江原ランド)は第2四半期に455.6億ウォン(約41億円)の損失を計上した。前年同期は50.94億ウォン(約45.7億円)の利益であった。また、6月30日までの3ヶ月間のゲーミング収入(GGR)は283億ウォン(約25.4億円)で、前年同期比91.4%減となった。カンウォンランドの非VIP事業エリアは7月20日に再開したが、1日の訪問者数は750人(昨年の1日平均訪問者数の10%未満)にとどまり、マシンゲーム(スロットマシンなど)のみの営業となっている。非VIPの訪問者需要の54%を占めるテーブルゲーム事業は、まだ再開されていない。

 また、済州島で「メガラック」を運営する、投資持ち株会社のニュー・シルクロード・カルチュラルテインメントは、今年は、前年の2倍となる4,700万香港ドル(約6億円)の中間損失になる予想をした。「今年1月以降の新型コロナウイルスパンデミックの発生と、韓国政府による現地旅行および入国制限の賦課により、韓国・済州島への観光客が激減したことが原因」としている。

 韓国では、渡航制限により国外観光客の誘致ができないため、国内の旅行需要を喚起する取組みが行われている。韓国観光公社(KTO)は、韓国国内のおすすめの観光スポットとして非日常感を味わえる「ラグジュアリー」な旅を提案。KTOは、「自分へのご褒美として、ぜひ体験をしてほしい」と語っており、仁川エリアのラグジュアリー体験スポットの一つとして、パラダイスシティを挙げている。

 また、8月14日から韓国国内では宿泊割引クーポン支援事業が本格スタートする予定で、27のオンライン旅行会社を通じて先着100万枚のクーポン配布が行われる。3万ウォン(約2,702円)割引券(宿泊費7万ウォン〈約6,306円〉以下の場合)が20万枚、4万ウォン(約3,603円)割引券(宿泊費7万ウォン〈約6,306円〉超過の場合)が80万枚が配布される予定である。

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 7/15~7/21 https://jair.report/article/389/

 7/1~7/7   https://jair.report/article/366/

 

・各地の新型コロナのIRへの影響レポート

 韓国 7月2日版 https://jair.report/article/364/

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