日本医師会と全国知事会は10月5日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の今後の対応について、オンラインで意見交換会を実施した。日医の中川俊男会長は「日医と全国知事会は基本的に同じ方向を見ている。都道府県医師会と行政の連携が不可欠だ」とあいさつ。全国知事会会長の平井伸治・鳥取県知事は「同じ方向を向いているというお話を心強く受け止めた。共同で国民にメッセージを出したり、政府にお願いすることもあると思う」と答えた。

全国知事会との意見交換会で話す日本医師会の中川俊男会長(左から2番目)

 意見交換会では、内堀雅雄・福島県知事が、全国知事会が10月2日に発出した「緊急事態宣言等の解除を受けた緊急提言」について説明。緊急提言では、第6波に向けた第5波の検証や、出口戦略について地域の実情に応じられるように自治体と十分に協議できる場を早急に設置すること、オンライン診療の普及に向けた診療報酬体系の適切な見直し等を国に求めている。

 中川会長は「緊急提言の中で、緊急事態宣言の解除や感染者数の減少により安心感が緩みを生じさせ、再度感染拡大を引き起こさないような『強いメッセージの発信』に共感した」と述べ、「コロナ禍で2度目のインフルエンザの流行シーズンが来る。都道府県の指定医療機関や発熱外来の充実が必要だ。改めて自治体ホームページでどのように(該当医療機関を)公表するかなど、体制強化に努めてほしい」と指摘した。平井会長は「発熱外来をどう考えるか知恵を合わせ、厚生労働省にも問題提起したい」と応じた。

 また日医の釜萢敏常任理事が「今後経済活動を活発にしてくためにGoToキャンペーンの実施条件を都道府県でどう考えているのかご教授たまわりたい」と述べ、斎藤元彦・兵庫県知事が「県内旅行への補助を補正予算として挙げており、緊急事態宣言の解除や県民のワクチン接種率が要件。原則旅行者は2回接種とし、バランスを図りながらスタートしたい」、平井会長が「ワクチン・検査パッケージをどう適応していくかは地域の感染状況等により、これから地方と国で協議の場を作るように申し入れる」と答えた。日医の松本吉郎常任理事は、外国人医療の相談窓口や、通常医療の確保に向けた地域医療介護総合確保基金の拡充を求めた。

日本医師会との意見交換会で話す全国知事会会長の平井伸治・鳥取県知事

 その他、村井嘉浩・宮城県知事が「日医と知事会が一緒にやることで効果が2倍、3倍になる。今後も定期的に意見交換を行いたい」、内堀福島県知事は「医師会や大学、県との日頃の連携があっていざという時に力が出せる。医師会と連携を強めていきたい」、杉本達治・福井県知事は「出口戦略の根幹は、持続可能な医療体制をどのように作るかで、新型コロナを特別な病気にしないことが重要。感染の最初の段階で幅広く医療を受けられるようにすることで(重症化リスク別に振り分けを行い)医療への負荷を軽減する、オンライン診療の活用など、今後も知見を共有させてほしい」と述べるなど、医師会への協力を求める声が相次いだ。

クレジットソースリンク