マスクをして歩く人々。スーパーの前には多くの買い物客がいた=名古屋市内で

 新型コロナウイルスの影響で、人々の消費行動は大きく変わった。外食や旅行への出費が減る一方、自炊のための食材費などが上昇。「おうち時間」を充実させようと、新しいことを始めた人もいるだろう。国内で初めて緊急事態宣言が出てから一年余り。街の声や統計データから、家計の状況を探ってみた。 (河郷丈史、大谷津元、鍵谷朱里)

 「スイーツを買って食べることが増えた」。愛知県清須市の男子大学院生(23)はこう話す。大学の講義がオンラインとなって外出する機会が減り、友人と外食を楽しむ時間も奪われた。コンビニで甘い物を買い、退屈な心を満たすように。「外食は減ったけど、結局、使う金額は変わっていない」と打ち明ける。

 一方で、自宅で過ごす時間が増えたのを機に、ホームシアターを導入。部屋の汚れが目につくようになり、ハンディークリーナーや空気清浄機も買いそろえた。「家の中を少しでも居心地の良い空間にしたいと考えた。室内をきれいに保つことにも気を使うようになった」と言う。

 今春から社会人になった同県扶桑町の会社員の女性(22)は、外で買い物をすることが少なくなり、今ではネット通販ばかり利用している。特にかさむのが書籍代。以前はたまに小説を読む程度だったが、家で過ごす時間が多くなったため、色の図鑑や日本語を読み解くなどの教養本もよく読むようになったからだ。「コロナがきっかけで、今まで読んだことがないジャンルに挑戦するようになった」

 東京都板橋区の男子大学生(22)は、感染予防のためスーパーのアルバイトのシフトを削り、収入が減った。ただ、外食も旅行もしなくなったため、「収支はトントン」だそうだ。残りの大学生活の思い出づくりとして、コロナ禍が落ち着いたら国内周遊の旅に出ることを計画している。

 「家での食事をちょっと豪華にするようになった」と語るのは名古屋市中村区の看護師の女性(58)だ。コロナ禍前は月三回ほどのペースで利用していた外食がお預けになったが、お酒を買ってきて家で飲んだり、飲食店のテークアウトを利用したりして、「むしろ食費が増えてしまった」。

 「ジャニーズファン」という同市昭和区の女子高校生は、オンラインライブに何度も参加し、逆に出費が多くなった。家族で外食に行く機会が減り、「誕生日も外で食べられずに悲しかった」と振り返った。

 一方、コロナ禍の影響は特にないとの声も。同市西区の無職男性(58)は「外食がテークアウトに置き換わっただけ」。もともと外食も旅行もあまりしないという同市瑞穂区の会社員の男性(46)は「生活リズムはずっと同じ。人出が減っているぐらいしか変化を感じない」と話した。

◆収束したら「国内旅行」へ 「やりたいこと」生保調査で首位

 コロナ禍が収束したら、人々の消費行動はどうなるのか。明治安田生命保険が3月下旬、20〜79歳の1620人に「収束後にやりたいこと」を複数回答で尋ねたところ、「国内旅行」が72.5%でトップ。全ての年代、性別で最も多かった。

 2位は「外食」の48.1%。次いで「遊園地やレジャー施設」26.3%、「海外旅行」26%、「ショッピング」25.6%、「コンサート・ライブ鑑賞」22%、「アウトドア」16%、「スポーツ観戦」14.7%の順だった。スポーツ観戦は男性、ショッピングや外食は女性の回答が多かった。

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