フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と仏グループPSAの統合で誕生した世界4位の自動車メーカー、ステランティス。10以上のブランドを持つ巨大グループの日本市場での販売をけん引するのは、米軍の軍用車両から派生した本格スポーツ用多目的車(SUV)ブランドの「ジープ」だ。

ジープはピックアップトラック「グラディエーター」の日本導入も検討している(2018年11月28日、米ロサンゼルス)

Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg

  日本自動車輸入組合が6日に発表した2020年度(20年4月-21年3月)の外国メーカー車(乗用車)新規登録台数で、ジープは前年度比0.5%増の1万4235台だった。新型コロナウイルス感染拡大で、外国メーカーの乗用車登録は13%減となり、メルセデス・ベンツや独フォルクスワーゲンなどが軒並み販売を落とす中、前年比増を確保した数少ないブランドの一つとなった。

  FCAジャパンの牛久保均営業本部長は5日のインタビューで、昨年はコロナ禍でいったん受注が大きく落ちこんだもののジープらしいデザインの「ラングラー」やコンパクトな「レネゲード」が販売をけん引し、6月以降は月次受注で前年超えを続けていると話した。今年も5%程度の成長を見込んでいるという。

  世界3位の規模の日本の自動車市場では軽自動車や燃費が良い車が好まれ、輸入車では欧州車に人気が集中。米国車は販売が振るわず日米間の貿易摩擦の要因にもなったほどで、フォード・モーターは16年に日本市場から撤退した。

  そうした中、ジープはSUVやアウトドアブームの追い風もあって異例の人気となっており、昨年まで7年連続で販売台数を伸ばしている。

SNSで反響大

  都内在住の会社員、永井健介さん(28)と彩さん(27)夫妻は昨年、コロナ禍で結婚式や新婚旅行が中止となってお金に余裕ができたこともあってレネゲードの限定車(約310万円)を購入した。個性的なデザインながら国産SUVと価格差がそれほどなかったことなどが決め手になった。

  彩さんはSNSに愛車の写真を投稿すると友人からの反響が大きく、「みんな注目しているというか、興味がある会社なのかなという印象を受けた」と話す。今後はキャンプなどでの使用も考えているという。

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