ナショナルジオグラフィック日本版
ワクチン接種を受ける人が増えるにつれ、以前のような社会への「安全な戻り方」が重要な課題となってくる(PHOTOGRAPH BY MICHAEL CIAGLO, GETTY IMAGES)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まってから約1年が経過した。世界の死亡者が240万人超、米国内だけで50万人弱という驚異的な数に達する中、希望をもたらしてくれるのは、記録的な速さで開発された複数のワクチンだ。

ワクチン接種を受けた人の数が日に日に増え続ける中、ワクチンを打つと日々の暮らしぶりがどう変わるのかについて疑問を持っている人も少なくないだろう。屋内で友人たちと会ったり、マスクをせずに買い物をしたりといった、これまで危険とされてきた行動は、ワクチン接種を受ければ安全になるのだろうか。

ここでは、ワクチン接種後の一般的な行動におけるリスクについて、専門家の意見をいくつか紹介していこう。

接種後、どのくらいで「完全な」免疫に?

現在、米国で承認されている米モデルナ製および米ファイザー・独ビオンテック製のmRNAワクチンは、3~4週間の間隔を空けて2回の接種を行う。COVID-19に対する最大レベルの防御力が達成されるまでには、2度目の接種から1~2週間かかる。これらのワクチンの臨床試験では、それぞれ約95%の発症予防効果が確認されている。

「これまでのところ、どのワクチンも重症化、入院、死亡に対して非常に高い防御力を発揮しています」。米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院国際ワクチンアクセスセンター所長のウィリアム・モス氏はそう語る。

ただし現時点では、ワクチンを完全に接種した後で、免疫力がどのくらいの期間持続するかは不明であり、その答えを明らかにするには時を待つしかない。COVID-19のワクチンは今後、インフルエンザと同じように、年に1度の予防接種として受けることになる可能性もある。その効果の持続期間は、1年より短いかもしれないし、それより長いかもしれない。

接種後、感染して無症状になり、未接種者にウイルスを広げる?

この質問は非常に重要だが、まだ厳密な研究は行われていない。これまでに得られたデータが示唆しているのは、ワクチン接種は、無症状の感染者数を有意に抑えたということだ。モデルナの第3相臨床試験では、2回目接種前の診断検査の時点で、有症状および無症状の感染例が1回目の接種によって89.6%予防されたことが示されている。

英オックスフォード・アストラゼネカ製ワクチンの第3相試験の予備的な結果からは、ワクチン接種後のスワブ検査の陽性率が67%減少したことがわかる。

この結果は「非常に有望」だと、米カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部の臨床名誉教授ジョン・スワルツバーグ氏は言う。「これを踏まえれば、わたしは責任をわきまえた一人の人間として、より安全にほかの人たちの近くにいられるでしょう」


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