皇居(中央奥)を中心としたアーク森ビル(手前右)ほか東京都心。右奥には東京スカイツリー

 政府は28日、観光支援事業「Go To トラベル」を全国で一時停止した。人の往来を抑制し、新型コロナウイルス感染拡大に歯止めをかけたい考えだ。ただ停止判断が遅いとして、年末年始の医療機関の病床逼迫を懸念する声が出ている。地域経済への打撃は大きく、民間研究所は3000億円超の経済損失と推計。停止は来年1月11日までの予定で、年明けに再開の可否を判断する。

◆「イベント」の代金割引も一時停止に

 28日は新型コロナ変異種の新たな国内侵入を阻止するため、全ての国・地域を対象に外国人の新規入国も一時停止。「Go To キャンペーン」のうち、「イベント」の代金割引も停止されるほか、飲食業界を支援する「イート」のプレミアム付き食事券の新規販売を停止する県がある。

 トラベル全国停止を受け、28日以降にチェックインする宿泊、出発する日帰り旅行は割引対象外になる。出発が27日以前でも、旅程が停止期間にかかる場合は全体が割引無効となる。菅義偉首相は14日、全国停止方針を発表。「年末年始にかけ、これ以上の感染を食い止めることに全力を挙げたい」としていた。

◆「発症者増やさぬため早期にすべきだった」

 全国に先立ち政府は、札幌市と東京都、名古屋市、大阪市、広島市の5地域を目的地とする旅行の割引を順次停止した。この間、東京と名古屋、広島は1日当たりの感染者数の最多を更新しているが、5地域を出発する旅行は27日まで割引利用の自粛要請にとどめた。

 野党は全国停止の判断や、停止開始時期が遅いと批判。年末年始は医療機関の態勢が手薄で「発症者を増やさないため、早期停止すべきだった」(立憲民主党議員)との指摘がある。

 旅行サイト「スカイチケット」を運営するアドベンチャー(東京都)によると約6000件あった停止期間の予約のうち、4000件が14日以降に解約されたという。

 JTB総合研究所は、23日~来年1月3日の国内旅行消費(飲食や土産代含む)は、停止決定前の推計から3187億円減り、旅行者数は前年比73%減と推計。書き入れ時の関連業界にはダメージが大きく、政府は解約を受けた旅行会社、宿泊施設など事業者に旅行代金の50%を補償する。


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