2020年は、新型コロナウイルス感染症一色と言っていい一年だった。いまだ進行中の災禍で振り返るには早いが、観光業界にとってかつてない大打撃を被った。移動して人と交わることを生業としてきたのに、皆がマスクで顔を隠し、自粛の下でこの世界は“分断”してしまった。再び観光の力によって皆が笑顔で交流できるよう「全集中」して、21年は「倍返しだ」。本紙紙面から編集部が独断で番付を行い、今年1年を振り返った。

観光業界は悲痛な環境に直面

 新型コロナウイルス感染症で始まり、終わろうとする1年だった。1月に中国武漢での感染爆発があってもまだ対岸の火事だった。その後、春節には多くの中国人観光客を迎えたように、ここまで日本も含め世界的なパンデミックになるとは想像できなかった。

 1月25日号の1面は「4千万人に黄信号」だった。何だかんだ言って、20年も引き続きインバウンドの流れは変わらないとみていた。それがわずか3カ月後に前年同月比99・9%減にまでなるなんて。

 クルーズ客船でパンデミックが起き、そのあたりから潮目が大きく変わった。マスク、アルコール消毒液が店頭から一気に消えた。それでも2月10日号は、新型コロナウイルス感染症の風評被害を観光庁が警戒していると報じていたレベルだった。

 3月に入っても、本紙では慌てずに普段の生活を送りながらコロナをやりすごそうと書いている。その後の状況を見れば、ただやり過ごすには長すぎる時間になってしまった。

 東京オリンピック・パラリンピックの延期が発表され、学校の臨時休校、4月7日に緊急事態宣言が発令されると県境をまたいでの移動の自粛が求められ東京ディズニーやUSJをはじめとするテーマパークや観光施設、博物館・美術館が軒並み臨時休業には入り、ゴールデンウイークのイベントは中止に、夏から秋の祭りや大規模イベントも相次いで中止が発表された。

全国の宿泊施設や旅行会社、運輸機関など観光業界は悲痛な環境に直面した。広い範囲に及んだ営業休止要請と解除を経て課題として認識されたのが感染防止と経済活動の両立をどう図るかという問題だった。

 第3波と言われる今も変わらない。第1波で表出した課題がそのままだ。返すがえすも布マスクばらまきではなく、医療体制の強化にお金が使われていれば…。

(トラベルニュースat 20年12月10日号)

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