自民党の航空政策特別委員会の三ツ矢憲生委員長は、新型コロナウイルスの影響で苦境に陥っている航空会社に対する公的資本の注入や政府主導の業界再編を議論するのは「早計」との見方を示した。

羽田空港(20年7月)

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  三ツ矢氏は2日のインタビューで、2010年1月に日本航空(JAL)が経営破たんした際とは異なり、新型コロナという外的要因によって業界全体にもたらされた今回の危機は「航空会社の責任ではない」と述べた。その上で、コロナが終息すれば「それぞれの会社が自分たちの路線を維持していく経営が成り立っていく」と語った。

  新型コロナの感染拡大を背景とした移動制限などにより旅客需要は大きく低迷しており、これまでに英ヴァージン・アトランティック航空や格安航空会社(LCC)のエアアジア・ジャパンなど複数の会社が経営破たんに追い込まれている。

  国内大手ANAホールディングス(HD)やJALも今期(21年3月期)に巨額赤字を見込む中、両社の経営統合が必要との声も上がっている。

  菅義偉政権の成長戦略会議の有識者メンバーで慶応大学名誉教授の竹中平蔵氏は先月20日のインタビューで、航空会社への資本注入を含む大胆な公的支援に向けた備えが必要だと述べていた。さらに資本注入をてこに国内航空大手2社の統合といった業界再編を進めるべきだとの考えを示していた。

  三ツ矢衆院議員は竹中氏の提言について、「ちょっと先を見すぎだと思う。悲観的なシナリオ」との認識を示した。資本注入の議論をすること自体が航空各社にとってのレピュテーションリスクになりかねないとの考えを示し、「われわれは政策を党として担っている立場なのでそんな簡単に早計なことは言えない」と語った。

  国内航空各社が加盟する定期航空協会が22年3月期の航空機燃料税など公租公課の負担を1000億円超軽減するよう要望していることについて、三ツ矢氏は自民党の航空対策特別委員会として政府や関係省庁などに働きかけを行ったとし、政府が打ち出す政策は「そんなに大きくかけ離れたものにはならないと期待している」と述べた。

  一方で、「公租公課をゼロに減免したとしても、どう考えても黒字にはならない」との認識を示した。同氏は「経営努力だけの問題ではなくて、国策としてやらないとできない」と述べ、航空業界の支援のために政府による需要喚起の取り組みが必要と語った。

  具体策として、政府の観光支援事業「GoToトラベル」の旅行先で使用できる地域共通クーポンを含めた50%の還元について、歳出にも配慮して段階的に引き下げながら、7月に開催予定の東京五輪・パラリンピック大会の開催まで延長することで、国内線需要や地域経済の活性化につなげるべきだとの見方を示した。

  また、訪日外国人観光客全体の約7割を占め新型コロナの感染も比較的落ち着いている中国、韓国、台湾との相互往来の再開に加え、検査態勢の強化などで国際線の需要喚起を図りたい考えだと話した。

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