2019年に中国で発生した新型コロナウィルス(COVID-19)は、2020年に世界中で大流行し、いまだに収束する気配がない。

日本政府はGo Toキャンペーンに熱心だが、季節が冬に向かうのに合わせて感染者が激増している。

ヨーロッパでは再びロックダウンに踏み切る地域も出てきた。

経済アナリストであり、歴史にも詳しい中原圭介氏は、この状態が長引く、あるいは収束してもすぐに次のウィルスが現れると読む。

つまり我々は、ウィルスと共存する時代を生きていかねばならないのだ。

我々はこの困難な状況の中でいかにして経済を立て直していくべきなのか?

中原圭介氏の最新刊である『疫病と投資』から一部を引用し、考えてみたい。

Photo: Adobe Stock

なぜCOVID-19は世界中に広がってしまったのか

 SARSやMERSは全世界に拡散させることなく抑え込むことが出来たのに、なぜCOVID‐19は世界中に広がってしまったのでしょうか。

 その要因は、SARSが流行した2002~2003年や、MERSが流行した2012年当時と比べて、現在は中国を中心に海外旅行で往来する人々の数が圧倒的に増えたためだと考えられます。ウイルスの広がるスピードが格段に上がり、感染の連鎖を断ち切るのが難しくなったのです。

 グローバル化が感染のスピードを加速させるという点は、ペストも同じでした。ペストがヨーロッパで爆発的に広がった時は、遠隔地貿易で商業が発展し、人の往来が増えていたからです。スペイン風邪もアメリカ軍の兵士がヨーロッパに派兵されるという人の往来があったから拡散しました。結局、この手のウイルスを拡散させないようにするためには、手洗いやマスクも必要かも知れませんが、やはり人の往来を絶つしかないのです。

 それに加えて、中国が当初からSARSの時と同様に、COVID‐19の感染拡大に関する情報を隠蔽したため、他の国々の対策が遅れてしまったという要因があったのも否定できないでしょう。ウイルスの発生源として歴史に残ってしまうのは不名誉なことかも知れませんが、隠蔽すればするほどウイルス拡散の対策が取りにくくなります。

 それは第一次世界大戦下において兵士の士気を落とさないようにするため、徹底した情報統制を行った結果、パンデミックを引き起こしてしまったスペイン風邪と同じです。歴史から学ぶべきなのに、それを学ばないのが人間の愚かなところです。

 もっと言えば、WHOによるパンデミック宣言が遅れたことも、世界的にウイルスを拡散させた原因のひとつと考えられます。

 COVID‐19に関してWHOがパンデミック宣言を行ったのは2020年3月11日のことでした。しかし、2020年の中国の春節は1月24日から30日で、この期間が大型連休になることから、発生源と見られている武漢に住む人も含めて大勢の中国人が、海外旅行に出かけてしまいました。もっと早い段階でWHOがパンデミック宣言を出し、それによって中国から海外への旅行などをストップさせていれば、ここまで感染が拡大することはなかったと思われます。

 一方、日本においては、政府によってインバウンドを重視する経済政策が取られ、近年、中国を筆頭にアジアからの観光客が物凄い勢いで増えていました。日本国内において新型の感染症が拡大するリスクは、以前に比べて大いに高まっていたのです。

関連記事

ロシアでは永久凍土が

解けて炭疽菌が広がった!


クレジットソースリンク