大山と歴代の日産車をかたどったカキノタネのデザイン

 伊勢原市にユニークな新名物が誕生した。日産自動車が世に送り出した歴代の名車の形に焼いた米菓「新型カキノタネ」。市内の食品メーカー龍屋(たつや)物産と同市と厚木市にまたがって所在する「日産テクニカルセンター」が手を組んで開発した。パッケージは車のドリンクホルダーに収まる形で、日産ファンならずとも思わず手が伸びそうな出来栄えだ。(吉岡潤)

 龍屋物産商品部長の高橋範行さん(43)は、地域活性化のために新たな名物を考案しようと伊勢原市の生産者や飲食店経営者らが設立した「伊勢原うまいもの遺産創造委員会」の一員。「何か地域貢献を」と考えていた同センターが協力し、「今までにないもの」を目指して知恵を絞った。

伊勢原市の新名物のカキノタネと豆腐を開発した(左から)高橋さんと米谷さん、高山松太郎市長=いずれも同市役所で

 龍屋物産はかねて、ドリンクホルダーに収まる容器に柿の種を詰めて販売してきた。これをひとひねりして「車の形にしよう」「ニッサンだから二十三種」と話が展開。だが事は容易ではなかった。形や大きさが違うものを一緒に焼くと、含んでいる水分量の関係などで膨張したり割れたりした。

 「めちゃくちゃ難しかった。製造に協力してくれた製菓会社には無理だと言われた」と日産グローバルデザイン本部の杉野元(げん)さん(46)。とはいえ、そこは「技術の日産」。表面積をそろえれば、うまく焼けると突き止めた。「そこがブレークスルーだった」

 フェアレディZやスカイライン2000GTなど、会社の歴史を調べて車種を選んだ。そして「日産総合研究所」(横須賀市)の技術者も加わり、二十三種の車と伊勢原のシンボルである大山、計二十四種類の形を同時に抜く金型を作り上げた。三種類のパッケージも日産のデザイナーが担当。全く異なる分野への挑戦に、杉野さんは「面白かった」と笑う。

 味は「年齢に関係なく、誰でも食べられるように」(高橋さん)と、トウガラシの量を半分にして辛さを抑えた。

 五百円。七日から小田急線伊勢原駅の観光案内所「クルリンハウス」などで販売。問い合わせは、龍屋物産=フリーダイヤル(0120)438895=へ。

◆「大山詣り豆腐」は11日に販売スタート

 伊勢原うまいもの遺産創造委員会は、「新型カキノタネ」とともに「大山詣(まい)り豆腐」の完成を発表した。

 観光スポットとして人気の大山はもともと豆腐が名物。日本遺産に認定されている「大山詣り」の信仰者が寄進した大豆と良質な水を生かして作ったのが始まりともされる。

 今回、開発した米谷政久さん(56)は伊勢原産の大豆だけを使って、味が濃厚でなめらかな舌触りに仕上げた。「まずそのままで味わってほしい。黒蜜をかけてデザートでもおすすめ」

 大豆の生産量の関係から毎月第2・第4の土日限定で、11日に販売を始める。450グラムで324円。問い合わせは、とうふ処米谷=電0463(95)3191=へ

車の形をした「新型カキノタネ」(中央手前)と製造するための金型(同奥)、「大山詣り豆腐」(右)


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