2020/11/01 10:23 ウェザーニュース
この1週間で、国内で観測された地震回数は前週に比べると若干多くなっています。震度3以上の地震は1回発生しました。関東から東北にかけての太平洋側で地震が目立ち、鹿児島周辺でも弱い地震が起きています。(10月26日~11月1日10時の集計)
地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析され、このエリアで過去に発生した地震と同様です。
千葉県北西部の深さ70km付近は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界に当たり、「地震の巣」とも言われる多発地帯です。2010年以降、千葉県北西部を震源とする最大震度3以上の地震は22回発生し、今年になってからは5月6日のマグニチュード5.0の地震以来、2回目です。
この地域で発生する地震は、震源よりも西側で揺れが強まる特徴があります。今回の地震も震央となっている千葉県内で震度3以上を観測した所はなく、かなり離れた東京都小平市で震度3を観測しました。こうした現象は、地盤や複雑な地下構造などが影響していると考えられます。
この地震の震央付近では改正メルカリ震度階級でVII以上(厳密ではないものの日本の震度階級では震度5強以上に相当)の強い揺れに見舞われたと見られます。ギリシャのサモス島やトルコ西岸のイズミルなどで建物の倒壊の被害が相次ぎ、多くの死傷者が出ました。また、この地震で津波も発生し、震源から150km余り離れたギリシャのシロス島で0.08mの海面変動を観測。震源近くではさらに高い津波に見舞われています。
今回の震源はアナトリアプレートの西側の領域にあたり、南北に引っ張られる動きをしていると考えられています。地震のメカニズムは南北方向に張力軸を持つ正断層型と解析され、考えられている動きと調和的です。2017年に同じトルコ西岸で発生したマグニチュード6.6の地震も正断層型と解析されています。
マグニチュード5を超えるような余震が発生しており、救出・復旧活動への影響やダメージを受けた建物の新たな倒壊などが心配されます。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
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