クルーズ船に未練たらたら…国交省港湾局はいまだに「Go To」路線なのか

「ダイヤモンド・プリンセス」号と下船する乗客を待機するバス(C)日刊ゲンダイ

写真拡大


「石橋副局長の話は来年1月までにクルーズ船を復活させるなどクルーズ船のことばかりだったそうです。ダイヤモンド・プリンセスがクラスター(集団感染)を発生させて世界のさらしものになったというのに、そんな軽々しく復活させるなどと言えるものでしょうか」

死者・重症者が8月急増「9月が怖い」の声と安倍首相の無策

 そう呆れるのは、横浜港湾関係者だ。

 国土交通省関東地方整備局(関地局)の副局長に石橋洋信氏が就任、8月6日に横浜市内で会見を行った。関地局でも港湾空港関係の拠点は横浜市である。

 そもそも横浜市では、今年5月6日には横浜湾に6隻の国際クルーズ船を同時着岸させ、夏の東京オリパラに向けたホテルシップなど国際クルーズ拠点化を盛大にアピールする予定だった。ところがコロナ禍で計画は蒸発。それどころか、大黒ふ頭に停泊したダイヤモンド・プリンセス号がクラスターとなり象徴的存在に。国際クルーズビジネスそのものが、いまや世界中で難破している。

■国交省港湾局の誘致路線

「国土交通省本省で港湾局長をしている高田昌行さんも関地局副局長を歴任しています。高田さん(旧・運輸省採用)は関地局副局長で赴任する前は本省で客船誘致担当でした。それまで港湾局ではクルーズ船などと言っていなかったのですが、官邸が観光で稼ぐとなったからです」(同関係者)

 2010年、国交省の外局に観光庁が設置され、政府は観光立国を推進。国交省はクルーズ拠点化やカジノの計画を進めていった。

 ダイヤモンド・プリンセスが停泊した大黒ふ頭は2016年に港湾計画が変更されて19年4月に整備された。同年10月には新港ふ頭客船ターミナル「横浜ハンマーヘッド」も共用開始となった。施設整備費に国は3分の1の補助をしている。

 また石橋副局長の前職は国土交通省港湾局産業港湾課長だが、これは高田局長も踏んでいるポジション。高田氏は関地局副局長から東北整備局長を経て本省港湾局長となった。

 しかし、コロナで観光立国路線は一転した。前出の港湾関係者は続ける。

「ダイヤモンド・プリンセスもそうでしたが、新型コロナウイルスが関係すれば現場の権限は厚生労働省が握ります。アフターコロナの時代でクルーズ船を復活させると言うのならば、徹底的な感染対策案を用意した上でなければクルーズ船の復活などありえない。しかし国交省の本質は”土木屋”です。復活させるために具体的に示していません。そもそも観光は不要不急の産業ではないわけです。運航再開という言葉はとても重いんです」(同)

 脳天気に路線を続けるのが、硬直化した官僚組織であり、安倍政権というものなのか。


クレジットソースリンク