宇治にまつわる大仏や鬼、鳳凰、レンコンにタケノコ、お公家さんまで登場するカオスなゲーム「ゲーム宇治市」

京都府宇治市が制作した、スマートフォン向けの無料ゲーム『宇治市~宇治茶と源氏物語のまち~』。観光PRを目的に制作されたゲームだが、クリアするのが難しすぎると話題に。

7月10日にリリースされた同作は、「モンスターに奪われた宇治市の魅力を、主人公の貴族KEMARIO」が取り戻す」というアクションゲーム。「萬福寺」「宇治橋」など観光名所や名産品などを随所に織り混ぜ、プレイヤーが敵を倒しながらご当地の魅力を知る機会を提供。という、大真面目なゲームなのだがツッコミどころが満載なのだ。

レトロ調のビジュアルや、KEMARIOがアイテムを手に入れるたびにマッチョに変身、チュートリアルがなく突然始まる高難度のプレイスタイルなど。挙げ句の果てに、ラスボスを倒すために宇治市でプレイしなければならない仕様。

宇治市宣伝大使「ちはや姫」もモンスターにさらわれる。劇画チックなイラストがシュール(左)、宇治市の名産、宇治茶の茶葉畑も登場(中央)、画面下のコントロールボタンに慣れるまで時間がかかるかも!? 

「仕方がないので宇治へ行ってきた」「何で位置情報が必要なんだ??と思って調べてみたら宇治市にいかないとクリアできない。巧妙(笑)」など面白がるプレイヤーもいれば、新型コロナウイルスの状況を考え、「落ち着いたら行かせてくだせぇ・・・」「宇治に行くの多分来年やろうなぁ」って長期でのクリアを考えるプレイヤーも。

同ゲームが誕生した経緯は、2017年3月に公開したPR動画がきっかけ。ゲーム風の斬新なムービーが「伝説的PR動画」と大きな注目を集め、「実際にプレイしたい」「自分もこのゲームをやってみたい」といった要望が多数あったそう。これらの声をふまえて「さらなる認知度の向上を」と立ち上がったプロジェクトだったのだ。

資金調達には、自治体向けふるさと納税型クラウドファンディングを利用し、支援者を募集。市内外の338件から得た総計約630万円と市の予算を合算し、広告代理店を通じて大阪のゲーム会社に制作を依頼、ゲーム風動画をもとにした「本物」のゲームが完成。ようやく今夏配信へと至った。

「コロナ禍でのは配信になってしまい心苦しく感じています。今はアプリで遊んでいただき、私たちの街の魅力を知っていただければ。宇治へお越しの際は新しい生活様式をお守りください」と宇治市秘書広報課の田中さんは語る。

このゲームが気軽にクリアできる世の中になれるよう、収束を願うばかりだ。アプリ「ゲーム宇治市」はIOS・Android対応、完全無料配信となっている。

取材・文/中河桃子

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