インバウンド蒸発の関西、地銀の健全性に逆風

 新型コロナウイルスの感染拡大で、外国人に人気でインバウンドの恩恵を受けてきた関西圏はとりわけ大きな打撃を受けた。写真は関西国際空港で3月撮影(2020年 ロイター/Edgard Garrido)

[大阪/京都 31日 ロイター] – 新型コロナウイルスの感染拡大で、外国人に人気でインバウンドの恩恵を受けてきた関西圏はとりわけ大きな打撃を受けた。地元の銀行は苦境に陥る観光業などの資金繰り支援に全力を挙げるが、コロナの影響が長期化すれば、倒産が急増し、地方銀行の財務健全性が揺らぐリスクもある。政府は金融機関に公的資金を注入しやすくする法改正を実施。融資で企業を守り抜くことで、金融システム不安の回避を狙う。

最大のコロナ倒産は大阪の観光業

関西はここ10年近くインバウンドで盛り上がってきた。ここは支えないと――。関西みらいフィナンシャルグループ<7321.T>の菅哲哉社長はロイターのインタビューでこう述べた。

インタビューの直後、大阪経済の苦境を示すニュースが飛び込んできた。6月30日、関西みらい傘下のみなと銀行の取引先である旅行業のホワイト・ベアーファミリー(本社=大阪市北区)が大阪地方裁判所に民事再生法の適用を申請。負債総額は278億円で、コロナ関連倒産では最大となった。

みなと銀は12億3700万円の貸出金のうち、担保などで保全されていない8億円について今年度第1四半期に全額引き当て処理する。もっとも、関西みらいの今期の与信費用は125億円。業績目標は変更しなかった。菅社長はインタビューで与信費用について「予防的な置き方をしており、現時点で(実際の費用が予想を)超えるとは思っていない」と説明した。

<ホテル業界は「悲惨な状況」>

心斎橋にあるホテル日航大阪の呉服弘晶総支配人は「大阪のホテル業界は悲惨な状況だ」と話す。呉服氏によると、大阪市内のホテル客室数は15年の5万室から20年には9万室まで急増。供給過剰にコロナ禍が重なり、経営環境は急速に悪化した。

都道府県別で見た19年の訪日外国人観光客の宿泊数では大阪府が2位、京都府が5位。京都市内のホテル・旅館は6月末時点で664と、15年度末比で24.8%増えた。京都駅周辺にはここ1―2年で開業したホテルが目立つ。

京都銀行<8369.T>の土井伸宏頭取は「インバウンドが戻るにはあと2―3年はかかるだろう」と話す一方、国内観光客の戻りに期待感を示した。「(観光関連の)器が大きくなり過ぎたので、ある程度小さくしないといけないかもしれないが、戦略や工夫次第では新しいビジネスが可能だ。再生のチャンスは他の都市よりはあると思う」と語った。


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