観光需要を喚起するための「Go Toトラベル」について政府は、17日、東京発着の旅行を対象外にしたうえで、今月22日から予定どおり実施する方針を示しました。
こうしたなか、全国から観光客が訪れる関西を代表する施設で、人気の舞台が17日相次いで再開しました。

【宝塚大劇場公演 4か月ぶり再開】。
宝塚歌劇団は新型コロナウイルスの影響で中止していた大劇場での公演について感染防止対策を徹底したうえで、17日、4か月ぶりに再開しました。
宝塚歌劇団の公演は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、宝塚大劇場では3月9日の公演を最後に中止していました。
大劇場は、緊急事態宣言の解除後、施設内の感染防止対策を徹底したうえで、17日、およそ4か月ぶりに公演を再開しました。
公演では座席の間隔をあけ、客席数は従来の半数以下のおよそ1200席とし、客席を使った演出なども当面行わないということです。
17日は、受付で観客の検温を行いアルコール消毒を徹底するよう呼びかけられたほか、スタッフはフェースシールドを着用して案内を行っていました。
大阪市から訪れた30代の女性は「再開を心待ちにしていました。消毒なども徹底しているので安心して観劇したいです」と話していました。
また、尼崎市から訪れた50代の女性は「再開はうれしいです。これから、コロナと付き合った劇場の仕組みを作っていくために、私たち観客もお互いに注意したいと思います」と話していました。

【吉本新喜劇再開】。
政府が観光需要を喚起するための「Go Toトラベル」を東京発着の旅行を除き、今月22日から始める中、大阪のお笑いの発信地、なんばグランド花月では、17日から「吉本新喜劇」の公演が再開されました。
なんばグランド花月では、先月から感染防止対策をとったうえで公演を再開していますが、17日からは多くの芸人が一度に舞台に立つ「吉本新喜劇」公演が再開されました。
吉本興業では、客席数を満席の半分以下に制限するなどの感染防止対策をとっているということで、友人と訪れた堺市の30代の女性は、「久しぶりに楽しかったです。自粛より活気があるほうがよいと思います」と話していました。
また、近くを通った和泉市の20代の男性は、「やっぱり大阪といったらここだと思うので、他の都道府県からも来てもらいたいと思います」と話していました。

【大阪・難波では】。
政府が「Go Toトラベル」から東京発着の旅行を割り引き対象から外したことについて、大阪・難波ではさまざまな声が聞かれました。
このうち、和泉市の20代の女性は、「観光業界が打撃を受けているので、東京を対象外にせず、キャンペーンを実施してほしかったです。東京が好きなので、感染が落ち着いて東京が対象に含まれればぜひ旅行にいきたいです」と話していました。
また、大阪市の40代の女性は、「東京で感染者が増えているので、対象外になるのはしかたがないと思います。感染が落ち着けば東京に旅行してみたいと思うので、キャンペーンの時期をずらしてもいいのではないかと思います」と話していました。
一方、兵庫県西宮市の30代の女性は、「時期が前倒しになったり、東京が対象外になったりして、思いつきでやっているような印象を受けます。制度も分かりづらく、政府が本気で利用してほしいと思っているのか疑問に感じます」と話していました。
また、堺市の70代の男性は、「各地で感染者が増えているなか旅行をする気にはなれず、キャンペーンをしても旅行に行く人が増えるのか疑問に思います。また、東京だけ対象外なのは不公平に感じるので、先延ばしにすべきだと思います」と話し、疑問を呈していました。

【大阪知事“東京除外は一定の合理性”】。
「Go Toトラベル」で、政府が東京発着の旅行を割り引きの対象外としたことについて、大阪府の吉村知事は17日、記者団に対し、「一定の合理性がある」と述べました。
このなかで吉村知事は、「キャンペーンは全国一律ではなく交流のある小さいエリアから始めるべきだといまでも思うが、国が感染状況をふまえて修正をかけ、東京をいったん外して進めることは一定の合理性がある判断だ。観光業が壊滅的な打撃を受けているのは事実で、ホテルなどで対策を徹底しながら、社会を動かしていくべきだ」と述べました。
一方、感染者が増加傾向となっている大阪に住む人の旅行について、「新たな感染者が300人くらいになるなど『大阪モデル』で赤信号がつくような状況なら事情は変わるが、いまは、大阪のみなさんの移動をやめるような状況ではない」と述べました。

【京都市長“適切な判断”】。
数多くの観光地がある京都市の門川市長は、「ここ数日の東京での感染拡大を見れば適切な判断だと思う」と述べ、理解を示しました。
一方、これにより需要喚起の効果が薄れるという見方について、「旅の原則は、安心安全があってのことだ。最大の社会経済支援は、感染症の収束であることをしっかりとおさえるべきだと思う」と述べ、感染拡大の防止を最優先したいという考えを示しました。

【京都知事“政府は説明を”】。
京都府の西脇知事は、政府がその理由をていねいに説明する必要があるとの考えを示しました。
京都府の西脇知事は、17日、定例の記者会見を開き、「Go Toトラベル」で東京発着の旅行を割り引きの対象外としたことについて、「どういう評価があって東京だけを除外したのか、政府がきちんと説明するべきだ」と述べ、政府がていねいに理由を説明する必要があるとする考えを示しました。
そのうえで、「近隣の誘客から始めて、段階的に範囲を広げることが大事だが、実施方法についてのきめ細かな対応は必要だ。接触の機会や移動が増えればリスクがある程度高まるのはしかたがないので慎重に行動してもらって、楽しんでもらうことが重要だ」と話しました。

【兵庫知事“現実的な対応”】。
兵庫県の井戸知事は記者会見で、「国民の懸念に応えようとしたもので、現状把握の上に立った現実的な対応だ。観光地では訪れる人が激減したまま推移していくと大変な状況に陥ってしまうという現実もあり、コロナ対策と地域経済対策を両立させようという対応だと思う」と述べました。

一方、「Go Toトラベル」で、東京発着のプランも用意していた複数の旅行会社に取材したところ、不安や困惑の声が聞かれました。
「“東京除外”の話は突然で、戸惑っている」。
「『キャンセルできるのか』、『キャンセル料はかかるのか』」などの問い合わせが相次いでいる」。
「詳細な情報がいまだに現場に下りてきていない。例えば目的地は千葉だが、東京に泊まるというケースはどうなるのか」など、現場では混乱が広がっていました。

【滋賀知事“一定評価”】。
滋賀県の三日月知事は、「Go Toトラベル」の割り引きの対象から、東京発着の旅行が外れたことについて、「これまでも全国一律に、今月22日から実施することは時期尚早で考え直すよう訴えてきたので、政府の見直しは一定、評価できる。取り組み自体には観光業の需要を呼び起こすと期待してるので、実施された場合は、感染対策をしっかりして混乱がないようにしたい」と述べました。

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