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Photo:erhui1979/gettyimages

上場企業全体を対象とした倒産危険度ランキングに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大で、甚大な打撃が避けられない13業種について、それぞれ業種別のランキングを作成した。特集『大失業時代の倒産危険度ランキング』(全29回)の#13では不動産業界を取り上げる。71社が危険水域に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

業種別で最多の71社が危険水域

コロナショックで賃貸料収入にも減少懸念

 不動産業は、販売用不動産を保有するため有利子負債が大きくなりがちという業種の特殊性もあって、本特集#1でも触れたように倒産危険度を表すZスコアが悪化しやすい。

 それが一因となり、東急不動産ホールディングス、住友不動産をはじめとする大手各社もランキングに名を連ねている。危険水域入りの社数も71社と、業種別に見て最多である。

 大手各社は不動産を保有して賃貸料収入を得ることを、事業の主体にする経営が多い。物件を売って売却益を得る事業を主体にするよりも、安定しているとされる。

 しかし、コロナ禍の局面では賃貸料収入、つまりインカムゲインも安泰ではない。小売店舗など商業施設の賃貸事業や、観光需要が蒸発したホテル事業が厳しいのはもちろん、リモートワークの拡大でオフィスに縮小移転の動きが出ており、オフィス賃貸の先行きにも不透明感が漂っている。売買益を獲得することが主体の会社が、より苦境にあるのは言うまでもない。

 特集『バブル崩壊 不動産withコロナ』の#7に掲載された上場不動産134社経営危険度ランキングは、営業キャッシュフロー対売上高比率、棚卸資産回転期間、有利子負債月商倍率の三つを指標にしたもの。逆風の局面でキャッシュを生み出す力が弱く、在庫を抱え、有利子負債が重いと経営の危険度が高まると判断している。

 倒産危険度よりキャッシュフロー、現金を生み出す力を重視したものとなっているが、言うまでもなく現金があれば、少なくとも倒産することはない。

 その意味で、重きを置く点は違うが、経営状態の悪さをあぶり出すということでは一致している。経営危険度ランキングと今回の倒産危険度ランキングの双方で上位にあれば、それだけ倒産リスクが高いといえるだろう。

 倒産危険度に話を戻して、上位の顔触れを見ていこう。

 1位のイントランスは商業ビル、オフィスビル、住居など中古物件を対象とした不動産再生事業が主力だ。先に挙げた上場不動産134社経営危険度ランキングでも3位だった。2020年3月期は、物件売却が2件にとどまり、販売用不動産の価格を見直して、その評価損を計上したことから、営業損益は9億3100万円の赤字(前期は3億7500万円の黒字)となった。


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