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◆鉄アナ・羽川英樹「行ってきました!」vol.45

 京都と大阪を結ぶ鉄道にはJR・阪急・京阪の3社があります。JRの新快速は最速の29分で結び、阪急京都線の特急は44分、これに比べ京阪特急は55分と明らかに遅いんです。カーブの多い線形なので致し方ないのですが、その分、名物だったテレビカーはまだ家庭に受像機が普及していない1954年から導入され、同じく名物のダブルデッカー車も特急料金不要で人気を集めました。そして満を持して2017年に特急6号車に有料指定席(500円)の豪華仕様のプレミアムカーを投入するなど、京阪電車は常に乗客サービスで関西私鉄の先陣を切っています。

 今回は叡山電鉄とも接続する京都側の起点「出町柳」から本線の中間拠点にあたる「枚方市」までを取り上げます。「出町柳」から「七条」までの京都の中心部は地下区間を走り、そのあと地上に姿を現します。

「伏見稲荷」の近くにある伏見稲荷大社は、コロナの前までは国内で外国人の訪問先として第1位の人気スポット。ホームの朱色の柱が印象的です。ここは全国に3万社あるお稲荷さんの総本宮で、正月3が日だけで参拝客250万人が訪れます。千本鳥居をくぐりぬけ、体力があれば標高233メートルの稲荷山山頂へ。また勇気があれば、名物のうずらとすずめの姿焼きにもチャレンジしてみてください。

「中書島」は宇治線と接続する特急停車駅。駅近くには宇治川の分流にあたる伏見港があり、ここから観光船の十石舟が運行されています。柳並木の川向かいには月桂冠大倉記念館をはじめ伏見の酒蔵がずらり。春の桜の眺めは最高です。また幕末、坂本龍馬が襲われた事件の舞台になった寺田屋もしっかり残っています。

 京都競馬場の最寄り駅で車庫も設置される「淀」を過ぎると2つの橋梁を渡ります。7連トラスの宇治川橋梁と9連トラスの木津川橋梁。ここは沿線随一のフォトスポットで、鉄橋上で上下の特急同士のすれちがいを見ることもできます。

 鉄橋を渡ると八幡市に入って「石清水八幡宮」。ケーブルに乗り換えて標高400メートルの八幡宮山上駅に向かいます。国宝・石清水八幡宮は日本3大八幡宮のひとつ。本殿近くの展望台からは宇治川・桂川・木津川の3つの川が合流する様子や、美しい西山の眺望を楽しむことができます。

「樟葉」は特急停車駅。私が学生の頃は河川敷のゴルフ場以外何もない駅でした。ところがいまや京阪屈指の高級住宅地。駅前のくずはモールの中には、かつてテレビカーとして活躍した旧3000系特急が実物展示され、運転シミュレーターのコーナーが人気を集めています。

「枚方市」は交野線と接続する特急停車駅。北口には旧クラボウ(倉敷紡績枚方工場)の跡地に最新設備をもつ関西医科大学と付属病院があり、隣接して9月に枚方市芸術文化センターがオープンする予定です。また南口はこの地が発祥のツタヤが枚方T-SITEという商業施設を展開しています。ちなみに人口約40万人の玄関口・枚方市駅は、本線では京橋・淀屋橋に次ぐ乗降客数第3位を誇っています。(羽川英樹)


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