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大阪観光 夜明けに備え 経済照らす 訪日客再び

 新型コロナウイルスにともなう緊急事態宣言が月末まで延長され、観光地や飲食店がコロナ禍に苦しむなか、大阪市ではコロナ克服を「夜明け」に見立て、「大阪・暁・プロジェクト」と銘打った観光促進計画を進めている。感染拡大の傾向に歯止めがかからず、インバウンド(訪日外国人客)に支えられた大阪の観光も低迷するが、市の担当者は「そのときを見据えて観光施策を準備し、大阪経済を明るい方向に導ければ」と話す。(井上浩平)



大阪観光 夜明けに備え 経済照らす 訪日客再び


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大阪観光 夜明けに備え 経済照らす 訪日客再び

 昨年度から始まったプロジェクトは、コロナ時代の「新しいレジャーの楽しみ方」を示すとして、感染対策に万全を期しながら観光振興を図り、飲食店などの支援につなげるのが目的だ。

 観光客に大阪城(同市中央区)など3つの城を巡ってもらう「参(さん)城(じょう)キャンペーン」などを実施予定だった。感染状況が比較的落ち着いていた昨年10月にはアニメ「忍たま乱太郎」の原作者、尼子騒兵衛さんを招いたイベントを開催した。10、11月の大阪城公園での音楽イベントは何とか計画通り開催したが、感染拡大ですぐに頓挫し、再開が見通せないまま現在に至っている。

 「ゴールデンウイークに合わせた実施も目指したが、感染者が増えて仕切り直しになってしまった」と、市観光課の集客拠点担当者は残念そうに語る。

 コロナ禍にありながら、観光施策に取り組むのには、大阪の観光がインバウンドに支えられていたという背景がある。

 観光庁の速報値では昨年1年間の大阪府内の日本人と外国人の延べ宿泊客数は約1712万人。前年の約4742万人から63・9%減らすという減り幅は全国でも最大となった。外国人に限った延べ宿泊者数も251万人と前年の約1792万人から大きく減らしており、コロナの感染拡大がインバウンドに与えた影響は甚大といえる。

 一方で、感染拡大防止と経済の両立は最重要課題となっている。大阪観光局の担当者は「安全安心に関する情報発信が第一で、観光プロモーションは感染状況をみながらになる。それでも、コロナからの反転攻勢を見据えて、観光施策を準備している自治体は多い」と話す。

 コロナに翻弄されている大阪市のプロジェクトにも明るい材料はある。

 今年3月までの半年間、コロナ禍のなかでも、大阪の食文化を体験する観光プログラム「あじわい大阪」を実施。29のプランのうち27が実施され、計約380人が参加した。

 大阪らしい「だし文化」や文楽にちなむ料理などを、感染対策を順守している飲食店や自宅で楽しむという内容で、感染状況の影響を受けにくいためか、オンラインで店主の指導を受けながらカレーを作るプランが人気を集めたという。

 大阪市観光課観光施策担当の上野能宏(よしひろ)課長代理は「これからはウィズコロナが当たり前の時代だ。オンラインを活用するなどの新プランを秋以降にスタートさせ、関西以外からも広く参加者を集めたい」と期待を込める。

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