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関空改修「万博までに完了」 官民懇談会が確認 急がれるコロナ後の議論

 関西国際、大阪(伊丹)、神戸の3空港のあり方を官民で議論する「関西3空港懇談会」(座長=松本正義・関西経済連合会会長)が28日、大阪市内で開かれ、関空第1ターミナルの改修工事を予定通り、2025(令和7)年大阪・関西万博までに完了させることを確認した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンド(訪日外国人客)が早期に回復するとは限らず、「コロナ後」をにらんだ議論が急務となる。



関空改修「万博までに完了」 官民懇談会が確認 急がれるコロナ後の議論


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関空改修「万博までに完了」 官民懇談会が確認 急がれるコロナ後の議論

 約1年半ぶりに開かれた会合では、関空の改修工事完了に向けて国に資金支援を要請することなどを確認し、関空の就業者約1万7千人の雇用を維持する必要性でも一致した。神戸空港の国際化は検討を継続することを申し合わせた。

 関空の改修は空港全体の受け入れ能力を現在の約3千万人から約4400万人まで拡張する計画で、防災対策費も含めて約1千億円を投資する。記者会見した松本氏は「関空は万博で外国人を迎える『ファースト(最初の)パビリオン』。恥をかかないようにきっちり用意してほしい」と期待を述べた。

 一方、空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は「需要がどういうタイミングで戻るか見通せない」と不透明感をにじませた。航空会社が相次ぎ赤字に陥り、破綻が続出するなど航空業界を取り巻く危機は世界規模で広がる。国際空港協議会欧州支部は10月下旬、「年末までに旅客が回復を始めなければ今後数カ月で(欧州の)193程度の空港が破産に直面する」と警告した。

 関空も例外ではなく、需要が単純に「V字回復」する保証はない。10月の総旅客数は前年同月比88%減の29万4300人。11月と12月も同程度の85%減と試算すれば、年間旅客数は前年比80%減の約670万人にとどまる。専門家による関空の需要予測調査委員会は「感染症の収束が遅れた場合、航空需要も長期の低迷が続くおそれがある」とし、回復は緩やかになる可能性を示唆する。

 関西学院大の上村敏之教授(公共経済学)も「インバウンド一本足打法はもろい。空港周辺に企業を誘致して観光客だけでなくビジネス客を取り込むなど、戦略シフトを検討すべきだ」と指摘する。関西3空港懇談会は、調査委の需要予測が出れば、早期に次回会合を開く方針で、「コロナ後」に3空港がどう連携できるか、官民一体の取り組みが求められる。

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