世界最大級のオンライン旅行会社Trip.com Group Limitedは2020年1月17日、「2020年春節の旅行トレンド予測レポート」を発表した。

日本のお正月休みにあたる中国春節の大型連休は毎年、中国人にとって海外旅行が最も盛んになる時期だ。中国出入国管理局のレポートによると、2019年春節期間における海外旅行人数は前年比12.48%増の631.1万人に達した。そして同社の調査では、その旅行先の人気No.1は日本だった。

2020年春節(1月24日~1月30日)の旅行トレンド予測では、中国人の旅行消費需要は引き続き高く、国内外の旅行および休暇については、多くの費用と時間を投入すると予想されている。この期間中、多くの中国人観光客は、中国国内外で人気のエリアへ行くとみられる。事実、2020年春節期間の観光市場はすでに十分な活況を呈している。世界中の何万もの旅行代理店や観光業者が、中国人旅行客向けOTAである『Ctrip』の旅行プラットフォームを通して、数十万の中国国内外旅行商品を発売している。2019年12月10日の時点で、中国各地からの観光客がCtrip団体ツアー、海外個人旅行(FIT)、カスタマイズツアー、現地体験などの旅行商品を予約し、100カ国・419以上の都市を訪れる予定だ。

周辺国海外旅行先で人気トップは日本

中国周辺国への海外旅行について最も人気があるのは、日本、タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジア、スリランカ、インドだ。この順位は、ここ2~3年変わっていない。日本は現在ランキング1位にあり、春節の期間中『Ctrip』を通じて数万人が日本に旅行することが予想されている。同社では『Ctrip』による過去の統計から、中国人観光客における日本での「雪見」「温泉」「ウィンタースポーツ」の人気が高まっていることから、今春節でも、これらの体験型商品が人気になるとみている。

長距離海外旅行先の人気トップはオーストラリア

2019年12月上旬までの『Ctrip』海外旅行団体ツアー、海外個人旅行(FIT)の予約状況によると、中国旅行客が選ぶ2020年の春節期間で最も人気のある長距離海外旅行目的地はオーストラリアと予想している。「季節が反対になる南半球を訪れ、夏気分満載な春節を体験したい観光客が多いのでしょう」と述べている。他に選ばれた目的地は、人気順に、アメリカ、イタリア、ニュージーランド、イギリス、スペイン、ロシア、フランス、アラブ首長国連邦、ドイツだ。

観光消費の変化。高額商品は強いが、コスト意識も

『Ctrip』の統計によると、90%を超える観光客が4つ星と5つ星の旅行商品を注文している。旅行客の中心である家族は安心できる、プライベートかつパーソナライズされた高品質のツアーを重視している。そのためフライト、ホテル、旅行プランを自由に決定でき、特別に手配された車で現地のガイドが同行するプライベートツアーまたはカスタマイズツアーの人気が高まってきている。『Ctrip』の統計によると、プライベートツアーの注文は前年比で100%以上増加している。2020年の春節において最も人気のある商品トップ10は以下である。

1.団体ツアー、2.FIT、3.カスタムツアー、4.エンターテインメント/1日ツアー、5.プライベートグループツアー、6.セミセルフサービスツアー、7.ビザ申請代行、8.ローカルグループ、9.クルーズ、10.テーマツアー

一方で、旅行商品の価格が下がってきている現象もでている。例えば「オーストラリア9日間団体ツアー」は1月の開始販売価額が約20,000元で、以前の同商品より5〜10%値下げとなっている。スペイン、ニュージーランド、フランスなどの目的地も以前の販売価格より値下がりしており、中国人旅行客のコストパフォーマンスに対する意識が大きく高まっているとみている。

依然、団体ツアーが最大の商品だが、カスタマイズツアーの人気も上昇

2020年春節期間の海外旅行商品の選択について、現時点の『Ctrip』予約データによると、団体ツアーが65%、海外個人旅行(FIT)とカスタマイズツアーの商品は合計で35%を占めています。安心で手間がかからない団体ツアーは、依然として海外旅行の主要な選択肢になるようだ。一方で、年々カスタマイズツアーの人気が上昇してきている。カスタマイズツアーは、旅行会社がニーズに合わせてオーダーメイドで旅行プランを作成するオリジナルツアーだ。以前は、カスタマイズツアーはそれほど注目されていなかった商品だが、『Ctrip』アプリの提供する簡易さによって、海外旅行商品を選択する時のメジャー商品となってきている。

若者旅行者が多く、また6割が「家族」と一緒に海外を旅行

『Ctrip』団体ツアーと海外個人旅行(FIT)の予約状況によると、1980年代~2000年代生まれの世代が、春節休暇期間におけるメインの海外旅行者になる。1980年代に生まれた世代は依然として最も人数が多いグループであり、29%を占めている。1990年代生まれ世代と2000年代生まれ世代の人数は大幅に増加し、33%を占めている。中でも、1990年代に生まれた世代と2000年代に生まれた世代=10代~20代の観光客の消費意欲と消費潜在力は、30代と比べて高いことが明らかになった。

統計によると、旅行の同行者のうち子供は49%を占めており、また11%は両親を連れて旅行に行く。合わせると家族旅行の占める割合は60%に上る。同社は、「家族(子供や両親)」と一緒に出かける旅行者は春節期間に海外旅行の主力客層になると述べている。

オンラインを通じての旅行商品の購入が6割強

春節期間において、中国人旅行客が利用しているのは主にオンラインショップだ。『Ctrip』の統計によると、現在、観光客の62%が海外旅行をオンラインで注文している。WEBやアプリなどOTAは、中国人が情報を検索して注文を行うための主要なプラットフォームとなっている。一方で『Ctrip』『Traveling Bestone』『Qunar』などのオフラインショップも依然高い人気を維持している。最近では、約7,000を超える実店舗での各店舗で1日あたり最大100件以上の注文があり、活況を呈している。

旅行者居住都市ではGDPの大きい都市からの旅行者が多い

春節期間に海外旅行をする中国人旅行者の居住都市トップ20は以下である。

1.上海、2.北京、3.広州、4.深セン、5.南京、6.杭州、7.成都、8.天津、9.武漢、10.重慶、11.西安、12.厦門、13.福州、14.無錫、15.合肥、16.昆明、17.寧波、18.長沙、19.蘇州、20.瀋陽

リストの上位4都市はすべて都市GDPでトップクラス都市だ。また他の都市は、ほとんどが経済成長が著しくトップクラスに近づきつつある都市だ。これらの都市在住者は春節休暇に海外旅行を計画する傾向があり、その目的地はより遠方になる傾向がある。

 

中国では、2022年に北京オリンピックの開催が決まったことから、スノーアクティビティへの関心が高まっているという。同社は2019年4月、JR東日本と東北をはじめとした東日本エリアへの訪日外国人旅行者の誘致に向けた戦略的提携を行った。第一弾として『Ctrip』のアプリおよびウェブサイト、JR東日本が中国市場向けに設定する冬のウェブサイトにて、スノーアクティビティを含む旅のコンテンツの情報を発信する。プロモーション期間は2019年12月24日~2020年1月24日、ターゲットは春節期間の旅行を計画している中国のファミリー層だ。

さらに同社は、台風第15号および台風第19号で被害を受けた地域の観光需要の回復を図るため、『Ctrip』および『Trip.com』の日本語以外の18言語サイトにおいて「ふっこう割」対象商品の取り扱いを開始している。対象期間は2019年12月下旬~2020年3月15日、対象地域は長野県・栃木県・群馬県・神奈川県・埼玉県・千葉県だ。春節期間を含んでおり、中国人旅行客の被災地域への訪日を大きく促進することを目指している。なお、2020年1月末にかけて適用対象となる県を拡大する予定だ。

2019年の訪日外客数(推計値)では中国が最も多い959万4,300人となり、全市場で初めて950万人を超えた。加えて、2019年の訪日外国人消費動向調査(速報)でも中国がトップで、全体の36.8%を占める1兆7,718億円だった。日本にとって中国は非常に重要な市場であり、2020年の春節は日本をアピールする絶好の機会となるだろう。

【参照記事】
・中国人旅行者の今春節休暇は日本が人気旅行先トップに
・中国最大規模のオンライン旅行会社Ctrip(シートリップ)とJR東日本グループが東北・東日本エリアへの誘客にむけて戦略的提携
・JR東日本グループと中国最大規模のオンライン旅行会社Trip.comグループが 冬の東北エリアへの誘客にむけて連携プロモーションを実施します
・Trip.comグループ、訪日外国人向けに「ふっこう割」の取り扱いを開始 長野県、栃木県、群馬県、神奈川県、埼玉県、千葉県での宿泊が対象
【参照サイト】
・JNTO|訪日外客数(2019 年 12 月および年間推計値)
・観光庁|【訪日外国人消費動向調査】2019年暦年 全国調査結果(速報)の概要

(HOTELIER 編集部)

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