新幹線、観光、展望どう描く

2020年7月14日 午前7時30分

 【論説】小浜市長選は現職の松崎晃治氏が4選を果たした。新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けた経済や観光再生、北陸新幹線敦賀、小浜開業を見据えたまちづくりなど、4期目の市政運営の課題は少なくない。

 松崎氏は当選直後のインタビューで、4期目の抱負として真っ先に新型コロナ対策を挙げた。第2波に備えて公立小浜病院でのPCR検査実施やコロナ外来整備は不可欠とし、国や県の(宿泊割引)キャンペーンに対応した経済対策についても検討が必要とした。現在の3期目終盤まで継続して取り組んできた諸懸案に新型コロナ対応も迫られ、市政運営は厳しさが増している。

 3年後に迫った北陸新幹線敦賀開業への対応は急務だ。来年秋ごろには、小浜の新幹線駅の詳細な場所やルートが示される見通しで、これからの4年は極めて重要。観光客が小浜を目指して訪れてくれる「観光の目的地化」へ、地域資源の魅力創出・発信、受け皿づくりをどうするか。新駅周辺エリアのデザインに関しては市民とともに議論を始めなければならない。

 3期目までに成し遂げられなかった施策として、松崎氏は「まちなか観光」を挙げる。市中心部のまちの駅・旭座を活用したにぎわい創出は長年の宿題。古い町並みの保存地区になっている「小浜西組」などへ観光客をいざなう「まち歩きの拠点」機能はまだ十分に発揮できていない。

 市内で養殖、ブランド化した高付加価値の「小浜よっぱらいサバ」は県外へのPRが順調だ。一方で市民に愛されるための戦略も今後は必要になってきそうだ。小中学校で慢性化していた給食調理員不足は、中学校2校の調理業務を民間委託する方向で調整が進む。「食のまちづくり」を進める市の子どもたちの食や健康を守れるか、保護者の関心は高い。

 財政運営も課題だ。堅実に借金を返済、貯金を積み立てている一方で、市税など収入のほとんどは経常的経費の支払いで消え、自由に使えるお金は少ない。また12日の松崎氏出陣式で支援者が言及したU・Iターン促進といった人口減対策も、持続可能なまちづくりを進めるには大事だ。

 4期連続の無投票当選は県内市長選で初めて。松崎氏は「割れることなく、一つになれる。オール小浜態勢の中で発展に向けて進んでいける」と受け止める。

 リーダーを選ぶ選挙への市民の関心は低かった。松崎氏の訴えは1日限り。市民は古里の将来や、直面する課題に向き合う機会がないまま、次の4年間の市政のかじ取りを委ねた形だ。無関心は市政の質を落とす。市民の関心を高めるのも松崎氏の役割になる。


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