嶺南観光の中核、連携急げ

2020年4月11日 午前7時30分

 【論説】若狭地域有数の景観、三方五湖を眼下に一望できる有料道路レインボーラインの山頂公園がリニューアルした。五つのデッキなどを新設した大規模整備により、まさに“天空のテラス”といえる心地よい空間となった。

 猛威を振るう新型コロナウイルスのため土日の営業が休止に追い込まれるなど影響も出ている。ただ、外国人による「クールジャパンアワード」に選出されるなど一定の知名度と集客力がある観光地だけに、コロナ禍が終息すれば、国内客だけでなくインバウンド(訪日外国人客)増への期待も強まる。景観や食、体験、学びなどの潜在力を持つ嶺南エリアの中核拠点として、新たな魅力をどのように広域かつ滞在型観光へとつなげていくかが次なる課題だ。

 今回のリニューアルで目を引くのは新設された五つのデッキだ。美浜テラスには、三方五湖や日本海を眺めながら入れる足湯を2カ所整備。五湖テラスは丸いソファでくつろげ、茶屋テラスでは併設のカフェで売られている焼き団子などを楽しめる。2階建ての若狭テラスは眺望はもちろんだが、かわらけ投げもできる。中央テラスは風雨をしのぎながら常神半島や日本海を眼下にスイーツなどを味わえる造り。各デッキでそれぞれ景色や楽しみ方の違いを感じることができる面白い試みだ。

 レインボーラインは1968年に開通し、91年には100万人を超す観光客でにぎわった。ただ、レジャーの多様化などにより客足が遠のき、2017年度には約28万人まで減少した。

 入り込み数の減少は社会情勢によるものだけでなく、公園内にも課題があった。風雨をしのぐ施設やくつろげる場所が少なかったため、天候に左右されやすく平均滞在時間も短かったという。ガラス張りカフェや展望建屋、ソファなどの新設、ランチをはじめとする食の充実など、今回のリニューアルにより長時間滞在やリピーター確保を図りたい考えだ。

 滞在時間が延びれば宿泊施設との連携も視野に入り、さらに周辺施設や観光地との連携がますます重要となる。山頂公園は「恋人の聖地」に認定されており、若狭町内にある有名デザイナーのウエディングドレス製造会社とコラボしたり、今秋の実証船試運転を目指す三方五湖遊覧船、県年縞(ねんこう)博物館や縄文博物館などと連携したりするなど、官民協働で取り組めることは多いだろう。北陸新幹線敦賀開業まで残り3年しかない。知恵の絞りどころだ。


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