蒲生猛・北海道エアポート社長インタビュー


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Photo by Koyo Yamamoto

三菱地所や東急など17社が出資して設立された北海道エアポート。2020年1月から新千歳空港など北海道内7空港の運営を担っている。しかし、役員ポストなどを巡って17社で“内紛”が起きた。特集『列島明暗 都市・地方財界・名門企業』(全15回)の番外編では、コロナ禍という乱気流に巻き込まれた北海道エアポートの蒲生猛社長が、現状と打開策を明かした。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

新千歳の国際線は客が戻るのに6年かかる

「東京便」が生き残る鍵

――新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4~7月は4カ月連続で新千歳空港の国際線の利用者数が、「ゼロ」。7空港民営化の“離陸”が厳しいです。

 2020年1月に7空港のターミナルビルの運営が始まり、6月から新千歳空港の滑走路の運用を開始しました。いわば“離陸”の途中でコロナ禍に直面したのです。

 ですから、入札時に提案していた計画は根底から崩れました。IATA(国際航空運送協会)の見立てでは、国際線利用者がコロナ前の水準に戻るまで、4~5年程度とされています。ですが、新千歳は6年程度かかるとみています。

 というのも、新千歳の外国人利用者にビジネス客はほとんどおらず、大半が観光客だからです。羽田や成田、関空など主要な空港が元気になった後、中部や福岡、那覇と続いて、ようやく新千歳の利用者が戻るとみています。

――その間、どうやって耐えるのですか。

 羽田便と成田便、いわゆる「東京便」が鍵を握ります。この2路線で、新千歳の国内線旅客数の約60%を占めています。東京便の復便がわれわれの生き残る前提となります。

 新千歳は派手に見えるかもしれませんが、本当のところは東京便で食っているのです。スーツを着た方々が、大きな飛行機に乗って新千歳に来てくれる。大きな飛行機の着陸料は、われわれの経営の基盤なのです。

 小型機でも大型機でも、空港のオペレーションには同じ手間がかかります。ところが着陸料は小型機が約12万円、大型機が約50万円と4倍も違いますから。

「Go To」東京除外が痛手

活性化の投資計画は予定の3分の1

――「Go To トラベルキャンペーン」の東京除外は、かなり痛いのではないですか。

 これは本当にどうしようもない。国内線旅客数は対前年同月比で7月は30%、8月は40%、9月は50%と回復の道筋を描いていましたが、おそらく9月は50%に届かないでしょう。

(航空会社が)減便を続け、30%台で推移するとなると相当しんどい。東京便が厳しいと経営に響いてきます。

――今後の投資計画の見直しは。

(運営権が移管される)30年間の計画そのものを見直すつもりはありません。

 ただ、今年度は赤字でしょうし、今後5年間で言えば、われわれにほとんどもうけは出ません。5年間の中期事業計画で、1000億円強の投資を掲げていました。ですが収支計画が崩れているため、500億~600億円程度は使えない。そして安全に関わる投資は当然やらないといけませんから、設備更新のための投資は従来通りやりたいと思っています。

 ですが、活性化投資は予定していた金額の3分の1程度にしないといけません。600億円程度を予定していたのですが、実際には200億円程度しか使えないでしょう。


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