新型コロナウイルスの影響により、県内の中学校でも宿泊を伴う修学旅行の中止が相次いでいる。県教育委員会のまとめでは、中止を決めたのは、県内の四十四市町村のうち四十市町村。ただ、生徒にとって学校生活の大切な思い出になるだけに、桜川市など四市は感染防止策を取った上で、行き先を変更したり、日程を短縮するなどして実施する方向だ。(松村真一郎)

 県教委義務教育課によると、県内の中学校の多くは例年五〜七月に京都・奈良方面へ修学旅行に行っていた。だが、関西方面でも感染が拡大し、収束が見通せないことから、ほとんどの自治体が取りやめた。

 一方で、県教委は集団行動などを学ぶ修学旅行の教育的な意義も考慮。五月下旬、各市町村の教委に対し、コロナの感染拡大で臨時休校していた小中学校の再開に向けたガイドラインで、修学旅行について「感染防止対策をした上で、行き先の変更など実施に向けた検討をしてほしい」と通知した。

 こうしたことを踏まえ、修学旅行を検討するのは桜川、つくばみらい、笠間市などで、感染防止を工夫して計画する。

 桜川市では、中学校五校が四、五月、京都・奈良へ行く予定だったのを九月末〜十一月初旬に北陸や東北地方に変更した。日程も二泊三日から一泊二日に短縮し、生徒同士の密を避けるため、移動時のバスも台数を増やすことにした。

 桜川市教委学校教育課の園田哲也課長は「修学旅行の教育的意義を考え、保護者の同意を得た上で実施を決めた」と語る。感染者が多い東京を経由しないで行けるという点で、北陸や東北が選ばれた。

 つくばみらい市でも、市内の中学校二校が、行き先を京都・奈良から大子町や富士山周辺に変更する。

 笠間市では、市内の義務教育学校一校が十一月上旬に、関西方面に行くことを検討している。中学校五校についても、代替行事として県内や栃木県への校外学習を考えているとした。

 県教委義務教育課生徒指導・いじめ対策推進室の太田雅彦室長補佐は「修学旅行は生徒たちにとって大事な行事なので、県内への旅行も含めて代替行事を検討してほしい」と話した。

◆仕事体験&テーブルマナー学ぼう 中止受け、水戸のホテルが代替企画

テーブルマナーを学びながらコース料理を食べる児童=水戸市で

 新型コロナウイルスで修学旅行が中止になっていることを受け、代替として児童生徒がホテルの仕事を体験したり、テーブルマナーを学んだりするプログラムが注目されている。

 企画したホテルテラスザガーデン水戸(水戸市)によると、仮予約を含め、県内の小中学校十校約千人が参加する予定だ。

 県教委は、小学校の修学旅行の実施状況は把握していないが、取りやめる学校が出ている。プログラム初日の二十五日は、つくばみらい市立小絹小学校の六年生の児童約八十人が参加した。本来は、今月二十四日から一泊二日で神奈川県鎌倉市などを訪れる予定だった。

 児童は四グループに分かれ、順番にノンアルコールカクテル作りやベッドメーキング、フラワーアレンジメントなどを体験。客室やチャペルを見学しながら、ホテルの仕事の説明も受けた。

 体験学習の後はホテルの従業員からテーブルマナーの講習を受けながら、常陸牛のステーキをメインにした八品の本格的なコース料理を食べた。

 参加した女子児童(12)は「シェーカーを使ってカクテル作りしてみたけど、けっこう大変だった。体験できて良かった。料理もおいしかった」と話した。 (水谷エリナ)


クレジットソースリンク