自民総裁に菅氏 東北から注文と期待

スマートフォンに映し出された自民党総裁選のライブ中継=14日午後3時40分ごろ、仙台市青葉区一番町3丁目
玄侑宗久さん
宮下宗一郎さん
加藤麻衣さん

 14日に第26代自民党総裁に選ばれた菅義偉官房長官(71)。間もなくスタートする見通しの新政権は、新型コロナウイルス対策にとどまらず、地方振興や経済成長、社会的弱者の救済策など多様な課題に取り組まねばならない。新たな国のかじ取り役に東北から注文が相次いだ。

 安倍晋三首相の路線継承が菅氏の旗印。福島県三春町在住の作家玄侑宗久さん(64)は「政治を『変えなくていい』という人に何が期待できるというのか」と手厳しい。
 官房長官の会見で記者の質問をはねつける場面もあった。「国民に言葉が届かない。首相にふさわしい振る舞いを」と丁寧な対応を望んだ。
 地方との向き合い方にも注目が集まる。
 バスケットボールを活用したまちづくりなどに取り組む能代市のNPO職員佐々木亜希子さん(47)は「地方の気持ちが分かるイメージを狙っているように映る」と指摘。「格差が広がった安倍政権の継承ではなく、菅カラーが必要だ」と話す。
 プロデューサーとして5年前まで東京で映画の企画に携わった。業界はフリーランスで働く人が多く、新型コロナで苦境に立つ知人もいる。「映画は心を潤す。経済的に弱い立場の人たちを切り捨てないでほしい」と願った。
 政府の観光支援事業「Go To トラベル」を「愚かだ」と痛烈に批判したむつ市長宮下宗一郎さん(41)。批判の矛は収め、「東北出身で、苦労もしている。地方の気持ちを分かってくれそう。最もふさわしい人物だ」と期待を寄せた。
 注目するのは総務相時代にふるさと納税を主導した手腕だ。「地方創生の先にある、自治体同士が連携し合う『地方共創』を進めてほしい」と訴えた。
 安倍政権の代表的な政策の一つアベノミクス。だが、地方では成長の実感は乏しい。
 七十七リサーチ&コンサルティング(仙台市)の首席エコノミスト田口庸友さん(45)は、東北の人口減少の進行が速い点を挙げ「経済の成長から持続へと転換するための支援が重要だ」と提言。「円滑な事業承継などで集約を進め、生産性と競争力を高める必要がある」と話す。
 新政権下で社会的弱者に対する施策が進むことを期待する声もある。昨年8月に初当選した盛岡市議加藤麻衣さん(26)は「名前のない問題に光を当てる努力も必要。多様な声に耳を傾けてほしい」と目配りを求める。
 加藤さんはレズビアンであることを公表している。「リーダーは『誰一人取り残さない』という姿勢を見せてほしい」と望んだ。

2020年09月15日火曜日


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