頑張っているのに成績が伸びないのは、学習法が正しくないからです。たとえば、10回も20回も漢字の書き取りをする、蛍光ペンやアンダーラインを引きながら読むといった学習法は非効率であることが科学的に証明されています。ここでは、中学受験専門塾「伸学会」の代表・菊池洋匡氏が、小学生のお子さんの成績を速やかに効率的に伸ばす勉強法を紹介します。※本記事は『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)から一部抜粋・再編集したものです。

記憶しやすいのは「最初と最後」…ぜひ勉強に活用して

第一印象で受けたイメージは記憶に定着しやすく、なかなか覆らない。そんなことをどこかで聞いたことはありませんか? だから、恋愛やセールスの世界では、初対面のときに良い印象を与えるように気をつけなければいけないそうです。これは「初頭効果」と呼ばれ、ちゃんと心理学的な根拠があるものです。

 

ただ、本記事は恋愛やセールスの指南書ではなく、「効率の良い学び」の指南書ですから、この「初頭効果」を生かした有効な学習法についてお伝えしていきます。

 

●最初と最後は記憶に残りやすい

 

例えば、ちょっとここで歴代首相を思い出そうとしてみてください。パッと思い出せるのは初代の伊藤博文首相と、現職(執筆中の2020年2月現在)の安倍晋三首相ではないでしょうか。在任期間が長いので、そろそろ安倍首相の前は誰だったかわからない方も増えているかもしれません。途中の首相は、吉田茂や田中角栄といった有名どころ以外はなかなか思い出せないんじゃないでしょうか。

 

最初が記憶に残りやすいのは先ほど書いた「初頭効果」と呼ばれ、最後が記憶に残りやすいのは「親近性効果(終末効果)」と呼ばれます。これらを合わせて「系列位置効果」と呼ばれますが、要するに「最初と最後は覚えやすい」と覚えておきましょう。

 

 

この系列位置効果は、大きな枠組みでも小さな枠組みでもどちらでも起こります。例えば、子どもに1日で47都道府県の名前をすべて覚えさせようとする場合、北から南へ順に学習していくと北海道・青森・鹿児島・沖縄あたりは覚えやすく、途中はあいまいになります。また、2~3ヵ月かけて地方ごとの産業などを北から南へ順に学んでいくとすると、やはり最初に学ぶ北海道・東北と最後に学ぶ九州・沖縄は記憶に残りやすく、途中で学ぶ中部地方などがあいまいになります。

 

●覚えたいものは最初か最後にやろう

 

1日の中で記憶に残りやすい時間帯は、いつでしょうか? それは朝起きた直後と、夜寝る前です。その時間は勉強しましょう。では、これから30分間勉強するとして、記憶に残りやすいのはいつでしょうか?

 

もちろん最初と最後です。最初と最後に最も覚えておきたいことを学習しましょう。例えば、最後にはそれまで勉強した内容の「まとめ」を考えたりするとよいですね。

 

そして、学習する順序は時々入れ替えましょう。先ほどの地理の学習例で言うと、復習するときには近畿地方から始めて中部地方で終えたりすると、真ん中あたりの穴がなくせますね。

 

 

また、「3時間ぶっ続けで1つの科目・単元を勉強する」というような集中的な学習は避けましょう。結局、真ん中あたりで勉強したことは記憶からこぼれ落ちてしまいます。それよりは30分ずつ6つに分けて勉強したほうが、最初と最後が6倍に増えるから覚えやすくなりますね。

 

同じように学習していても、記憶に残りやすいのは最初と最後です。もともとある最初と最後をうまく活用したり、さらには意識的に最初と最後を作り出したりして、より学習効率を上げていきましょう。

 

【まとめ】

「記憶に残りやすいのは最初と最後」をうまく活用しよう。科目をこまめに切り替えたり、勉強するときの順番を入れ替えたりすると効果的。

連載「なぜマジメにやっても伸びないの?」小学生の子の成績に最短で直結する勉強法


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