婚礼業者や式場、コロナ禍の挙式を安心提供 延期は費用を免除、相談はテレビ会議で

ウェブ上で通話するシステムを従業員と試すカリメーラの木内さん(右)
新型コロナの拡大に伴い、挙式の延期や少人数化、簡素化に頭を悩ませるカップルが少なくないという=仙台市青葉区のソルテール仙台店

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて結婚式の延期が相次ぐ中、仙台市内の式場は対応策を打ち出している。延期の場合にキャンセル料を取らない特例措置を講じるほか、来館しなくても相談できるテレビ会議システムを導入。晴れの日を心待ちにするカップルの不安を少しでも和らげようと工夫を凝らす。

 仙台市内の会社員女性(27)は、3月上旬に予定していた結婚式と披露宴を夏以降に延期した。会場は、同い年の夫からプロポーズされたレストランがある青葉区のホテル。チャペルの雰囲気も気に入り、仕事の繁忙期を避けた日取りを選んでいた。2月下旬から新型コロナの報道が連日続き、両親とも話し合った末に延期を決めた。
 一方、従来の規定なら費用の4割分のキャンセル料を支払わなければならなかったが、今回は招待状送付の実費のみで済んだ。女性は「延期は誰のせいでもなく仕方がない。苦渋の決断だったが、直前の延期でも追加料金がなく、ホテルには感謝している」と語る。
 青葉区の総合結婚式場「パレスへいあん」は、3月の挙式が前年同月に比べ9割減った。秋口に予定する式にも影響が出始めている。新型コロナの終息が見通せない上、挙式の打ち合わせには半年以上を要するため、年内いっぱいは増加を見込めないという。

 延期でのキャンセル料免除に加え、営業部の間智広課長は「半年後、1年後のお客さまの喜ぶ顔を想像し、企画を練り直している」と前を向く。新郎新婦2人だけのプランを用意したほか、動画投稿サイト「ユーチューブ」を通じて遠方客への配信も検討している。
 同じく延期のキャンセル料を免除している宮城野区の式場「プライベートリゾート カリメーラ」は、事前相談での来館に不安を感じる客のため、テレビ会議システムを活用する。希望があれば、式場の雰囲気も映像を通じて紹介する。
 木内さや香マネジャーは「外出の自粛傾向により、自宅で結婚式のことを考える機会が多くなるカップルの役に立ちたい。気軽に連絡してほしい」と話す。ウエディングプランナーは無料通信アプリLINE(ライン)で担当カップルの相談に日々応じる。
 仙台国際ホテルとホテルモントレ仙台(ともに青葉区)も、挙式が延期の場合はキャンセル料を取らない特例措置で対応する。ホテルモントレ(大阪市)の担当者は「カップルの希望をかなえられるようできる限り支えたい」と話す。

◎首都圏からの変更組も 内容簡素に

 「とってもきれい」「お似合いですよ」
 3月下旬、青葉区の貸衣装店「ソルテール仙台店」は、挙式を控えて衣装合わせに訪れたカップルでにぎわいを見せた。ウエディングドレスとタキシードの組み合わせに加え、白無垢(むく)と紋付きはかまも人気だという。
 ソルテールを運営する矢口(東根市)の橋本善文取締役宮城エリアマネージャーは「当初は一部でキャンセルも出たが、その後は延期が大半。衣装や内容をコンパクト化するお客さまも多い。東日本大震災の時と似ている」と語る。
 打ち合わせに訪れた新郎の公務員男性(31)と新婦の女性(28)=ともに泉区=は当初、5月中旬に関東地方の寺社で挙式を予定したが、新型コロナの拡大を受けて断念。ブライダル業の空地音(そらちね)ハーモニー(宮城野区)が手掛ける瑞巌寺(宮城県松島町)での挙式に切り替えた。
 予約キャンセルには40万円以上を支払ったが、男性は「金額の問題ではない。出席者を危険にさらすわけにはいかない」ときっぱり。「希望をかなえてくれそうで良かった」と、ようやく実現する2人の門出にほっとした笑顔を見せた。
 岩手、宮城、山形3県で「みちのく和婚」を手掛ける同社の菊池美鴎(みお)社長は「神社仏閣での挙式は少人数のためキャンセルは出ていない。首都圏での挙式を取りやめる方の問い合わせも増えている。せっかくの結婚式を控えた皆さんを安心させてあげたい。東北で開いてよかったと思ってもらえたらいい」と話す。

2020年04月10日金曜日


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