熊本県の阿蘇山が20日、噴火した。東北地方には、気象庁の定義による活火山が18ある。仙台管区気象台はこのうち12の火山を24時間体制で観測・監視している。どの火山も活動は落ち着いているが、秋の行楽シーズンを迎えているだけに、気象台は「活火山である限り、いつ噴火してもおかしくない」と警戒を呼び掛ける。(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

秋田駒ケ岳で地熱高まる活動

 気象台発表の月間概況(9月30日現在)によると、24時間観測・監視する12火山のうち十和田を除く11火山が噴火警戒レベルの対象。いずれも5段階のレベル1(活火山であることに留意)で、対象外の火山も含めて噴火などが差し迫った状況にはない。

 比較的注意すべき活動が見られるのは秋田駒ケ岳(岩手、秋田県)。女岳付近で2017年9月以降、周囲より地熱が高くなる活動が続いており、気象台は推移を見守っている。

 吾妻山(山形、福島県)は14~19年に3度、警戒レベル2(火口周辺規制)となった。現在も大穴火口周辺で地熱が高まる活動が続き、火山灰などの固形物が噴出する現象が突然起こる可能性があるという。

蔵王山は有史以降34回噴火



地殻変動が観測されて一時、警戒レベルが2に引き上げられた蔵王山=2018年2月

 東北で噴火の記録が最も多く残るのは蔵王山(宮城、山形県)。気象庁ホームページ(HP)によると、有史以降の噴火は34回を数える。1940年の小規模な水蒸気噴火が最近の事象となる。2018年1月にカルデラの南方向が隆起する地殻変動が起こり、警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられた。3月にレベル1に引き下げられてからは活発な活動は見られず、落ち着いている。

 地震火山課の樋渡秀一火山防災官は「噴火を予知することはできないので、観測を継続して、なるべく早く変化の兆候をつかむことが重要だ」と強調する。

 火山災害は噴火による噴石や火砕流だけではなく、火山ガスなどもある。「入山する前には必ず気象庁のHPで最新の情報を得て、近づいていいのかどうか慎重に判断してほしい」と話す。



東北の活火山(気象庁ホームページから)

東北の活火山

火山名    標高(m) 直近の噴火

〇恐山      878  不明
△岩木山    1625  1863年
△八甲田山   1585  15~17世紀
〇十和田    1011  915年
△秋田焼山   1366  1997年
〇八幡平    1613  約7300年前
△岩手山    2038  1919年
△秋田駒ケ岳  1637  1970~71年
△鳥海山    2236  1974年
△栗駒山    1626  1944年
〇鳴子      470  837年
〇肘折      552  不明
△蔵王山    1841  1940年
△吾妻山    1949  1977年
△安達太良山  1728  1900年
△磐梯山    1816  1888年
〇沼沢      835  約5000年前
〇燧ケ岳    2356  1544年

△噴火警戒レベル対象火山(活火山であることに留意)
〇は噴火警戒レベル対象外火山(活火山であることに留意)
=気象庁ホームページから

気象庁 火山登山者向けの情報提供ページ(東北地方)
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