秋田県の有効求人倍率(季節調整値)が全国平均を上回り、東北で最も高い状況が続いている。新型コロナウイルス流行前は全国30~40位台の常連だったが、8月の求人倍率は1・59倍で、4カ月連続で全国2位を記録した。慢性的な人手不足に加え、新型コロナ感染者の多い首都圏などで求人倍率が悪化し、秋田が順位を上げている。




 秋田と東北、全国の求人倍率の推移はグラフの通り。秋田は2019年10月から東北平均を、20年4月からは全国平均をそれぞれ上回る。

 秋田労働局は「もともと高かった他地域の順位が下がった」と要因を分析。緊急事態宣言が発令された都市部を中心に、経営悪化による解雇などで求職者が増えているという。

 今年8月の都道府県別の有効求人倍率は、高い順に1位福井、2位秋田、3位島根。比較的感染者の少ない地域が並び、新型コロナの影響が雇用悪化にまで及んでいない現状がうかがえる。

 秋田市の旅館「秋田温泉さとみ」の担当者は「売り上げは大きく減ったが、雇用調整助成金などを活用し解雇までには至っていない」と話す。

 県商工会連合会の伊藤健一地域戦略課長は「県内でも新型コロナの影響で従業員を辞めさせざるを得ない企業もある」と指摘しつつ、「宿泊業では県民割引などを活用し、何とか雇用を保っている」と語る。

人口減や就職による県外流出で続く人手不足

 秋田では、人口減や就職に伴う人材の県外流出でコロナ前から人手不足が続く。専門的な資格が必要な建設業や医療福祉分野が顕著で、8月の新規求人数は建設業が13カ月連続、医療福祉が6カ月連続で前年を上回った。

 秋田労働局は求職者が感染を恐れ、人が集まるハローワークの利用など転職活動を控えていたことも求人倍率を押し上げたと分析する。それを裏付けるように、ワクチン接種が進んだ65歳以上の8月の新規求職申込件数は、昨年同月より35・3%増加した。

 同局の岡本英樹地方労働市場情報官は「若い世代がワクチンを接種すれば転職活動も活発になる。求職者が増えれば求人倍率にも変化を与えるだろう」との見通しを示す。

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