*16:05JST イージェイHD Research Memo(5):受注は中央省庁、西日本エリアを中心に増加
■E・Jホールディングス<2153>の業績動向

2. 受注、売上高の動向
(1) 受注高の動向
2021年5月期の受注高は前期比4.0%増の36,902百万円となった。発注機関別の増減率で見ると、中央省庁が前期比12.9%増、都道府県が同2.0%増、市町村が同11.2%減、民間が同1.2%減、海外が同175.1%増となった。中央省庁向けに関しては防災・減災、国土強靭化対策の強化を背景に、2ケタ増ペースが続いた。一方、都道府県や市町村など自治体向けについては、コロナ対策費用に予算が優先的に振り向けられた影響もあり低調に推移した。また、民間向け(主に高速道路会社)についても前期に大きく伸長したため、2021年5月期は横ばいにとどまった。コロナ禍の影響で前期に大きく落ち込んだ海外向けについては、JICAの発注が再開し始めたことを受け、2019年5月期の水準近くまで回復を見せた。

地域別受注状況では東日本エリアで減少し、西日本エリアで増加が目立った。北海道・東北については東日本大震災の復興関連プロジェクトが一巡し、前期比7.0%減と減少に転じた。関東や中部については自治体向けの減少が響いて、それぞれ5.5%減、8.3%減となった。一方、近畿については自然災害リスク軽減、インフラマネジメント、情報・通信分野など重点分野のプロジェクトに加え、主力の道路、橋梁関係の業務を多く受注し、同10.4%増と2ケタ増ペースが続いた。中国は同7.0%増、四国は同6.8%増とそれぞれ堅調に推移し、九州についてはアイ・デベロップ・コンサルタンツが通年で寄与したこともあり、同30.7%増と前期に引き続き大きく増加した。

同社が重点事業分野と位置付ける5分野の受注状況について見ると、合計で前期比16.6%増の21,297百万円と過去最高を連続で更新した。受注全体に占める構成比率でも前期の51.5%から57.7%と上昇している。分野別の前期比増減率を見ると、環境アセスメント業務を中心に環境・エネルギー分野が73.5%増と大きく伸長したほか、自然災害リスク軽減分野についても土砂災害発生予測技術調査やハザードマップ作成調査業務などを受注し、同17.5%増と2ケタ増ペースが続いた。インフラマネジメント分野では、NEXCOの施工管理、橋梁耐震補修設計業務、発注者支援などの受注により同7.6%増となり、情報・通信分野では同報無線デジタル化整備事業基本設計業務や防災行政無線電波伝搬調査業務などの受注により規模は小さいものの同43.7%増と伸長した。唯一、都市・地域再生分野については7.4%減と若干減少した。

(2) 売上高の動向
売上高を発注機関別で見ると、中央省庁が前期比21.8%増、都道府県が同12.7%増、市町村が同7.9%減となり、官公庁合計では同11.5%増の29,054百万円となった。また、民間向けは受注残が豊富だったこともあり同26.7%増の4,992百万円と2ケタ成長が続いた。一方、海外向けについては受注が回復したものの、実際の業務はコロナ禍で徐々に動き始めた程度のため同27.3%減の286百万円と低迷が続いた。

地域別の売上状況を見ると、期末残高が高水準であったこともあり、すべての地域で増収となっている。伸び率としては九州が前期比51.7%増と最も高く、次いで中国が同15.5%増、中部が同12.6%増、関東が同11.7%増、近畿が同10.9%増、四国が同6.6%増、北海道・東北が同3.9%増となった。

自己資本比率は60%以上と健全な水準で、財務内容は良好
3. 財務状況と経営指標
2021年5月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比6,328百万円増加の37,513百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では収益増に伴い現金及び預金が4,837百万円増加したほか、受取手形及び売掛金が1,320百万円増加した。固定資産では、有形固定資産が223百万円、投資その他資産が276百万円それぞれ増加した。

負債合計は前期末比1,155百万円増加の12,015百万円となった。有利子負債が397百万円減少した一方で、未払費用が527百万円、未払法人税等が681百万円、未払消費税等が218百万円それぞれ増加した。また、純資産合計は前期末比5,173百万円増加の25,497百万円となった。収益拡大に伴い利益剰余金が2,500百万円増加したほか、公募増資と自己株式の処分を実施したことに伴い、資本金及び資本剰余金が1,405百万円増加し、自己株式が974百万円減少(増加要因)した。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は収益拡大や公募増資等の実施により前期末の65.2%から68.0%に上昇した。また、有利子負債依存度も2.5%と低水準で推移しており、財務基盤は一段と強化されたと言える。一方、収益性についてもROAが11.8%、ROEが12.2%、売上高営業利益率が11.2%といずれも前期から上昇しており、ここ数年は重点5分野、並びに技術提案型業務の受注獲得に注力してきたことや、プロジェクト管理の強化等による生産性向上に取り組んできた効果が出ているものと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《EY》


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