感染力の強い変異した新型コロナウイルスは、各地でどれくらい広がっているか?
その現状がわかってきました。
緊急事態宣言が出されている大阪 京都 兵庫ではこれまでに8割以上、東京でも半数余りが従来のウイルスから置き換わっていて、全国的に急速に置き換わりが進んでいます。

「N501Y」変異 緊急事態宣言の地域では…

国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は27日夜に行われた専門家会合で、感染力が強い「N501Y」の変異があるウイルスについて、民間の検査会社で検出された結果をもとに地域ごとの広がりを推計したデータを示しました。緊急事態宣言が出ている地域の結果です。

<大阪 京都 兵庫> 今月下旬にかけて8割超


変異ウイルスの割合は3月初めに2割ほどだったのが、今月初めには7割ほどと国内で最も早く変異ウイルスの感染が拡大し、急速に置き換わりが進みました。その後、今月下旬にかけて8割を超える状態になったと推定しています。

<東京> 来月初めに8割ほど


関西より遅れて変異ウイルスの割合が増え、今月初めに2割ほどだったのが今月下旬には半数を超え、来月初めには8割ほどになると推定しています。

東北除き 全国的に“急速に置き換わり進む”

このほかの地域でも「N501Y」の変異があるウイルスの割合が増えていて、国立感染症研究所は東北地方を除いて全国的に急速に置き換わりが進んでいるとしています。


一方で、このところ特に大阪府では置き換わりのスピードが遅くなる傾向で「頭打ち」の状態になっているとしていて、その要因として
▽人出の減少が見られる中で変異ウイルスへの置き換わりのスピードが変化している可能性や
▽他の系統のウイルスときっ抗して100%は置き換わらない可能性があるなどとしています。


国立感染症研究所 脇田隆字所長
「いま広がっている変異ウイルスは従来のウイルスより感染のしやすさを示す実効再生産数が全国平均では1.32倍になっていた。ただ、感染力は地域によって違いがあり、およそ1.21倍から1.68倍の間で差が認められた」

「N501Y」変異 感染者の多い地域では…


ほかの地域でも感染力が強い「N501Y」の変異がある新型コロナウイルスが占める割合が増えてきています。国立感染症研究所が今月26日時点でほかの地域について推定した結果は以下のとおりです。

<東京 神奈川 千葉 埼玉の1都3県> 来月初めに8割ほど


今月初めには2割ほどでしたが、今月下旬には半数を超え急速に置き換わっていて、来月初めには8割ほどになると推定しています。

<愛知> 来月初めに7割余


急速に置き換わりが進んでいます。今月初めに半数近くとなり、来月初めには7割余りになると推定しています。

<福岡> 今月下旬に8割以上


先月中旬まではほとんど見られませんでしたが、今月上旬には2割から3割、そして今月下旬には8割以上になっていると推定しています。

<沖縄> 今月下旬に8割以上


先月初めまでは少ない状態でしたが、今月初めから急速に拡大し中旬には半数ほど、そして下旬には8割以上になっていると推定しています。

<宮城 山形 福島の東北>

「N501Y」の変異があるウイルスへの置き換わりはまだ大きくは見られていないとしています。

東京都と民間の検査機関 44.4%で「N501Y」変異が


東京都内では「N501Y」の変異がある新型コロナウイルスは今月18日までの1週間に都内で行った検査のうち4割余りで見つかり、前の1週間と比べて14ポイント余り増えたことがわかりました。

都内では都の「健康安全研究センター」と民間の検査機関などで「N501Y」の変異があるウイルスかどうかの検査を行っています。


今月18日までの1週間に都内で新たに確認された陽性者の4割近くに当たる1562件の検体を調べた結果、「N501Y」の変異があるウイルスは44.4%に当たる694件から見つかりました。これは11日までの1週間と比べて14.4ポイント増えています。

東京都「健康安全研究センター」分析で約60%

また、東京都の「健康安全研究センター」に集められた検体を分析した結果では今月25日までの1週間で「N501Y」の変異があるウイルスが59.6%を占めました。
前の1週間と比べて2倍近くになっていて、専門家は「完全にN501Yが優位になりつつある。N501Yの脅威を考えると引き続きしっかりと警戒して動向を注視していく必要がある」としています。

東京 ほぼすべて変異ウイルスになると2週間後の陽性者1700人超


そして、ほぼすべて変異ウイルスに入れかわった場合には2週間後には新規陽性者は1742人、入院患者は4450人になるという推計も明らかにされました。

変異ウイルス 国内の感染者1万人超に

変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省は国内で確認された感染者が1万人を超えたと発表しました。


全国の自治体は新型コロナウイルスの新規感染者の一部から検体を抽出してイギリスやブラジル、南アフリカ、それにフィリピンで確認されている変異ウイルスに感染していないかを調べています。

厚生労働省によりますと、去年12月から4月27日までに全国の合わせて1万102人から変異ウイルスが検出されたと自治体から報告があったということです。また、27日までの1週間に確認された感染者は43都道府県で合わせて4186人に上り、前の週(2352人)のおよそ1.8倍に急増しています。

また、これまでに変異ウイルスに感染した2200人余りの検体の遺伝子を解析した結果、96%の人からイギリスで最初に見つかったウイルスが検出されたということです。

都道府県別では…

変異ウイルスへの感染が確認された都道府県と人数は次のとおりです。

▽大阪府が2045人
▽東京都で1883人
▽埼玉県で563人
▽神奈川県で557人
▽兵庫県で443人
▽愛知県で380人
▽京都府で328人
▽北海道で299人
▽千葉県で274人
▽奈良県で252人
▽香川県で251人
▽愛媛県で248人
▽福岡県と広島県で213人
▽富山県で179人
▽三重県で173人
▽岡山県で145人
▽徳島県で138人
▽静岡県で134人
▽岐阜県と滋賀県で126人
▽茨城県で116人
▽山口県で98人
▽新潟県で91人
▽群馬県で84人
▽和歌山県で83人
▽福井県で62人
▽鳥取県で61人
▽長野県で58人
▽熊本県で57人
▽宮崎県で49人
▽高知県で46人
▽山梨県と栃木県、大分県で41人
▽石川県と沖縄県で29人
▽宮城県と秋田県で27人
▽鹿児島県で26人
▽佐賀県で24人
▽島根県で19人
▽長崎県で15人
▽福島県で5人
▽岩手県で2人
▽青森県で1人

厚生労働省は、感染者情報を集約するシステム「HERーSYS」を通じてこれらのデータを集めているため、自治体の発表と人数が異なる場合があります。

感染確認は20代が最多 死亡した人は37人

厚生労働省は26日までに変異ウイルスへの感染が確認された人のうち、国立感染症研究所などで遺伝子を解析した2179人について年代をまとめました。

▽10歳未満が129人
▽10代が243人
▽20代が515人
▽30代が252人
▽40代が279人
▽50代が260人
▽60代が178人
▽70代が156人
▽80代以上が164人
▽不明が3人となっています。

このうち死亡した人は合わせて37人で
▽40代と50代がそれぞれ1人
▽60代が3人
▽70代が9人
▽80代以上が23人となっています。

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