新型コロナウイルスが蔓延する中、社会を維持する最前線で働く人の声が、J-CASTニュースがサイト上に設置した投稿フォームに、日々寄せられている。

   家にいることが推奨される今も、物流を維持するために店舗で働かなければならない人々がいる。さまざまな業界から苦しい「本音」が寄せられる中、飲食店で働いているという人たちからもリアルな声が届いた。

  • 近距離での接触の危険にさらされている飲食店の現場

  • 近距離での接触の危険にさらされている飲食店の現場

「本当に怖いのは人間」

   4月7日に緊急事態宣言発令が発表された後、大都市圏を中心に様々な業種に行政から休業要請が出されているが、外食関係は営業を続けている場合もある。すると、限られた店舗に多くの客が集中し、かえって混雑が増すケースも出ている。

   例えば、東京都内のケーキ店で働くという女性からの声である。緊急事態宣言後でも人出は減らないどころか、むしろ増えていると語る。店内も混雑する上に、近隣でクラスターの発生が報じられたこともあり、「身近に迫る危険にスタッフ一同気が気ではありません」と緊張している。

   都内のパン屋で働いているとするパート店員も、未だにマスクをしない客や親子連れで訪れ、談笑しながらパンを選ぶ様子にいらだちを隠さない。

「日々増えるお客様は未だにマスクしない、子連れ、談笑しながらパン選びなど、まだまだ不安な職場です。食品という意識より、ただ目の前の美味しそうなパンに目がくらみ、欲に任せて行動する人間の欲を目の当たりにすると、本当に怖いのは人間とつくづく感じます」

客と上層部、双方へ憤り

   首都圏の飲食店で働くという女性の現場では、アルバイト・パートを休ませた代わりに、投稿者を含めた正社員スタッフだけで現場を回している。しかし、店内飲食が減った代わりにデリバリーやテイクアウトの需要が増えているため、忙しさは増しており「殺す気かと思ってしまいます」とつづった。

   大手飲食チェーンで働くという30代女性は、従業員のマスク着用が「お客様からの」クレームでやっと認められるようになったと投稿している。かつてはマスク着用は客に失礼というマナーがあった頃とは逆転してしまっている。その他、飛沫感染防止のためのビニールカーテンや手袋の導入も進んでいないという。昨今しきりにPRされる「3密」「ソーシャルディスタンス」を意識しない客にも憤っている。

「大人数で来ないで下さい、マスクして下さい、勝手に席を移動しないで下さい、注文は一度に出来るだけ多くして下さい、一つ一つ注文しないで! 何度も何度も他のお客様の周りをウロウロさせられたらたまったもんじゃありません!」

地方でもつのる危機感

   地方でも危機感を抱いている人はおり、特に感染のリスクを実感している従業員からは、防御策が整わないことへの不安・不満も出ているようだ。

   東海地方の回転寿司店で働くという女性の店舗では、昨今コンビニなどで普及している飛沫感染防止のためのビニール幕や、レジ前の列を整理するためのガムテープを貼るなどの指示もない。「売り上げが落ち込むより、どうにかして売り上げをのばせ!が上からの要望なので、従業員を守るなど二の次なんだな会社は、と思います!」と不満をあらわにした。

   もう一つは東北地方のアイスクリーム店舗の店員を名乗る投稿者からの声だ。この店舗では試食サービスが継続されており、店内の飲食スペースもそのまま残っている。営業時間短縮や列の間隔を空ける提案をしても、受け入れてもらえないという。この店舗でも禁止されていた店員のマスク着用が、客からのクレームでようやく認められた。「危機管理能力が低すぎる上、全てが後手後手」だと吐露した。

   また愛知県のショッピングセンターのフードコートからは、未だ店内での飲食が可能なことを危惧する投稿が届いた。フードコートという場所柄、不特定多数が集まるので「接客中に声が震えてしまうほどです」だという。

   多くの投稿で共通していたのは「客の危機感が薄い」という感覚だった。長時間多くの客と接し、感染リスクの高さを自覚しているからこそ、客側の行動に敏感になっている。大手の飲食チェーンでも営業時間の短縮・臨時休業などの取り組みを行っているが、その分営業している場所に人が集まっている状況だ。その現場で働く人へのフォローが待たれる(内容はいずれも投稿時点のものです)。

   
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