熊本地震から4年。経験や教訓を伝える取り組みが進む。地震の種類によって、どのような備えが必要なのか考えてみよう。

震度7の揺れに2度にわたって襲われた一連の熊本地震から4年。この地震では、270人以上が犠牲になりました。新型コロナウイルスの感染拡大で、熊本県庁で行われた追悼式は、参列者を例年の10分の1に減らすなど影響が出ました。災害の経験や教訓を後世に伝えようと、今月から、地表に現れた断層を公開する予定でしたが、それも延期に。感染拡大が終息して、旅行ができるようになったら足を運んでみたいですね。

問題に挑戦しよう!

今回は、この熊本地震に関する入試問題を題材に地震について考えていきましょう。

問題。
2016年4月14日と16日に熊本県を震源とする震度7の大きな地震が相次いで発生しました。地震発生のしくみが、この熊本の地震とは異なると考えられる地震を次の(1)~(4)から1つ選び、番号で答えなさい。
(1)1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)
(2)2008年の岩手・宮城内陸地震
(3)2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)
(4)2014年の長野県神城断層地震

どれも記憶に残る大きな地震ですが、仕組みとなると…と思いますよね。今回、押さえておいてほしいのは、地震は大きく分けて2つの種類があるということ。(1)~(4)のうち1つだけが違う種類なんです。

どのようにして地震は起きる?

まずは、平成7年の阪神・淡路大震災。「内陸地震」または「活断層地震」と呼ばれる地震によるものです。仕組みは、日本の地下では、プレート(地球の表面を覆う岩石でできた大きな板のこと)が動くことで地盤に力が加わっています。その力に耐えきれなくなり、「活断層」がずれ動いて起きる地震です。

そして、平成23年の東日本大震災。「海溝型地震」と呼ばれる大地震が発生しました。「海溝型地震」は、陸側のプレートの下に海側のプレートが沈み込み、限界に達した陸側のプレートが跳ね上がって発生します。

問題の4つの地震では、阪神・淡路大震災、岩手・宮城内陸地震、長野県神城断層地震が内陸地震。東日本大震災だけが海溝型地震。つまり、答えは(3)の東日本大震災です。

地震の種類で備えも変わる

でも、地震に2つの種類があることを知っていることに意味はあるのか…。そこで、ミガケ取材班は、地震の専門家に聞きました。地震の発生メカニズムを研究している京都大学の西村卓也准教授です。
地震の種類によって、揺れや被害に差があるんですか?

京都大学防災研究所 西村卓也准教授
「一般的には、海のプレートと陸のプレートの境界で起こる海溝型地震のほうがより大きな地震になることが多いです。ただ、内陸地震と言われるタイプの地震は『直下型地震』とも呼ばれ、人の住んでいるところのすぐ足元で起こります。規模が、海溝型地震より小さくても、すぐそばに建物があったり、人が住んでいるので、地震の揺れや被害は必ずしも内陸地震が小さいとは言えない」

どちらのタイプの地震でも、警戒しないといけないんですね。でも、どちらの対策も同じでいいのかな…。

日本各地の地震が発生するリスクを調べている西村さんは、地震のタイプによって警戒や対策をしなければいけないことが違うと教えてくれました。

京都大学防災研究所 西村卓也准教授
「海の地震(海溝型地震)なら、津波に気をつけなければいけないし、地震の揺れにしても、最初にP波と呼ばれるカタカタとした揺れが来て、そのあとS波というゆっくりした揺れが来るので、ある程度、時間の余裕があります。一方、内陸地震(直下型地震)の場合は、P波とS波はほぼ同時に来る。緊急地震速報が携帯電話で流れるようになりましたけれど、直下型地震の場合は、ほとんど間に合いません。活断層が近くにあることを知っていれば、内陸地震への備えができるし、海に近いところであれば、津波への備えが必要であることを知ってほしい」

文部科学省が熊本地震の後に行った調査では、被害が大きかった地域の住民のおよそ70%は地元に活断層があることを知りませんでした。知っていた人も、その半数以上が「地震が起きると思わなかった」と答えています。日頃から地元の地震のリスクに関心を持って、備えておくことが大切ですよね。

地震の予測はまだ難しい

日本では、南海トラフ巨大地震など大地震がいつ起きてもおかしくありません。いつ発生するのか予測できたら備えやすいですよね。GPSの観測データを利用して地盤のわずかな動きを分析している西村さん。それでも、予測は難しいんだそうです。

京都大学防災研究所 西村卓也准教授
「地面の中はすごく複雑です。GPSでの調査では、前の年からこの1年間でどのくらい動きましたっていうのはわかるのですが、この観測が始まったのは20年ちょっと。『ひずみが、あるところまで来ると地震が起こりやすい』となると思うが、観測が始まった段階で、どれだけのひずみがたまっていたのかわからないので、予測が難しいんです」

どんな危険があるか調べよう

最後に、長年、疑問に思っていたこともぶつけてみました。映画「インディ・ジョーンズ」で地面が割れて、落ちてしまうシーンがありますよね。地震で地面が割れたらどうしようと思って、生きてきたのですが…。

京都大学防災研究所 西村卓也准教授
「基本的に断層は、ずれているだけで、割れ目に落ちるということはふつうはないと思います。地震の断層そのものが割れるのではなく、地震の揺れによって地滑りが起こるなどして地表面に割れ目ができることはありますが、地球の内部は、すごく力がかかっていて、圧力が高いので開くような割れはできないんですよ」

熊本地震では、土砂崩れで多くの人が犠牲になりました。地震で山に亀裂が入ると土砂崩れが起きるおそれがあることも知っておかなければならないですね。

自宅で過ごす時間が長い今、自分の地域でどのような地震が起きる可能性があるか、どこが危ないのかを確認したり、防災グッズを点検したり、できる対策を家族でやってみませんか?

「週刊まるわかりニュース」(土曜日午前9時放送)の新コーナー「ミガケ、好奇心!」では、毎週、入学試験で出された時事問題などを題材にニュースを掘り下げます。「なぜ?」、実は知りたい「そもそも」を、鎌倉キャスターと考えていきましょう!

クレジットソースリンク