宮城の3市長感染、都内での要望活動裏目? 政府予算編成大詰め

台風19号で吉田川が決壊し、190世帯が浸水した宮城県大崎市鹿島台。治水対策の充実を求める首長らの要望活動が続く=9月27日

 伊藤康志大崎市長ら宮城県内の3市長が新型コロナウイルスに感染し、地方政界に波紋を広げている。伊藤市長らは政府予算編成が大詰めを迎えようとしている中央省庁へ度々出向き、都内で要望活動を続けていた。今のところ感染経路は不明だが、地元を離れての陳情などには感染リスクも付きまとうだけに、首長はより一層の注意が求められそうだ。
 「この時代に要望活動かという声もあるが、中央省庁と意見交換する場はいまだに重要だ」。32団体で組織する東北ダム事業促進連絡協議会(東ダム連)の関係者が強調する。
 県治水協会会長を務める伊藤市長は16、17日、都内で開かれた東ダム連と東北直轄河川治水期成同盟会連合会(東水連)による中央要望に参加した。首長や事務方の職員ら30人余りがグループに分かれ、国土交通省や東北選出国会議員の事務所を訪れてダムや河川の整備促進を求めた。
 16日にあった国交省幹部との意見交換会、17日朝にあった東北選出国会議員との意見交換会では感染対策を徹底したという。「通常より広い会議室を使い、発言に使ったマイクは1回ごとに消毒した」と担当者は語る。別の行政関係者は「予算編成と感染拡大期が重なってしまった」と嘆く。
 2団体は毎年、夏と秋に省庁に要望していた。今夏は感染対策のため訪問者を絞るなどしたものの、災害復旧など緊急性の高い問題を抱えていれば国などへの要請を見送るのは難しい。
 事務局担当者は「昨年は台風19号の豪雨被害、今年は山形県で豪雨災害があり、首長たちが直接実情を伝える必要があった」と説明する。
 伊藤市長は10〜12、18〜20日にも上京。県市長会会長や県土地改良事業団体連合会長として、全国市長会の合同会議などに参加していた。大崎市議の一人は「(地域の)中心的な市のトップとして、国への予算獲得の期待を一身に背負っていた。国と地方の上下関係が厳然とある中、使命感があだとなった可能性もある」と推察する。
 伊藤市長や感染が判明した山田裕一白石市長らは16日夜、都内で懇親会を開いたとされる。要請活動をお膳立てした職員らは「公式日程が終わった後の首長の動向は把握していない」と話している。

2020年11月26日木曜日


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