上映会のチラシを示す安積さん(左)と大谷さん=横浜市港北区で

 二〇一四年九月に起きた御嶽山(長野・岐阜県境)の噴火で観光業に深刻な影響を受けた長野県木曽地域の上松(あげまつ)町を訪れてもらいたいと、横浜市の映画監督安積(あさか)俊治さん(42)が同町を舞台にした短編映画「想ひ出の行方」を制作した。七日、同市南区の吉野町市民プラザで上映される。(杉戸祐子)

 安積さんは同市港北区で育ち、高校卒業後に渡米。ハリウッドの映画制作会社に就職し、撮影や編集の技術を習得した。〇六年に帰国後、国内の観光名所を紹介する外国人向けインターネットサイトを運営。御嶽山の噴火後、観光客の足が遠のいた上松町に集客面のコンサルタントとして関わり、地元の人々の「町にまた観光に来てもらいたい」という熱意に触れた。

 「集客のための動画はよくあるが、名所をただアピールするだけでは注目してもらえない。心を引きつける物語の舞台として描くことで、訪れたいと思ってもらえたら」。映画制作を提案し、クラウドファンディングで資金を集めた。脚本も担当。東京で女優の夢を追う二十代女性が祖母を亡くした際、遺品から見つかった写真をきっかけに同町を訪れるストーリー。巨大な花こう岩が川沿いにそそり立ち、木曽八景の一つに数えられる観光地「寝覚(ねざめ)の床(とこ)」や近くの名刹(めいさつ)・臨川(りんせん)寺などを舞台に織り込んだ。

 三〜六月に撮影を行った。主演は同町出身の女優大塚結生さん。臨川寺の住職や観光案内所職員、地元住民らが出演したほか、安積さんの人脈で横浜市周辺からもキャストが加わった。終盤の鍵を握るカメラマン役を演じた川崎市のミュージカル俳優大谷伶人(れいと)さん(22)は「豊かな自然の中、地元の人たちとつながりができて温かく感じた」と話す。

 撮影・編集も担った安積さんは「若い人にも年齢を重ねた人にも、それぞれの経験から共感してもらえる作品に仕上がった。上松町の良さを広く知ってもらえたら」。今後は神奈川、長野両県を足掛かりに自主上映を行い、将来的には動画共有サイトを通じた配信を行う予定という。

 上映会は午後二時開場、四時終了。主題歌を作詞作曲した横浜市出身のシンガー・ソングライター石橋光さんによる生演奏も予定。鑑賞料千円(十歳以下無料)。前日までにメール予約(残席があれば当日入場可)。申し込みは(株)マストラブ=[email protected]=へ。

上松町の「寝覚の床」で行われた撮影の様子(安積さん提供)


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