国道6号を走る車。新型コロナウイルスによる外出自粛などの影響で、交通事故による死者数は減っている=水戸市で

 県内で八月末、交通事故による死者数が年間で五十人に達し、統計が残る一九七二年以降で最も遅かったことが、県警のまとめで分かった。初めて年間百人を下回る可能性もある。新型コロナウイルスによる外出自粛で、交通量が減ったことが一因とみられる。ただ、年末にかけ死亡事故が増える時期を迎えることから、県警は注意を呼び掛ける。九月二十一日からは秋の全国交通安全運動も始まる。(松村真一郎)

 県警によると、笠間市で走行中のワゴン車から同乗者が転落した事故で八月三十日に出た死者が、今年の交通事故による五十人目となった。五十人に達したのは二百四十三日目で、昨年よりも八十二日遅い。過去最短は、九二年の二十九日間だった。

 県警は、三十日時点での交通事故の概況を発表。死者数のほか、発生件数や負傷者数、飲酒運転による死亡事故件数も、昨年同期と比べて減った。高齢者の死亡は三十二人で、九人減ったものの、死者全体に占める割合は64%と、例年とそれほど変わらない。

 年間の死者数をみると、統計を取り始めてからは、昨年の百七人が最も少ない。今年は九月十六日現在で五十三人と、このまま推移すれば、初めて百人を下回ることになる。

 事故が減ったのは、新型コロナで、外出自粛が呼びかけられたり、観光地などが閉鎖されたりした時期があったことが影響しているとみられる。

 県警が、県内の主要な観光地や幹線道路の交差点計十三カ所で交通量を分析したところ、感染拡大を防止するために閉鎖された観光地が多かった大型連休期間(四月二十九日〜五月六日)は、昨年同期比で三割以上減少。ただ、お盆期間(八月十三日〜十六日)は、前年同期と比べて6%減と、徐々に戻りつつある。

 交通総務課の担当者は「コロナが、事故死者数が減った要因の一つと考えられる」と話す。

 ただ今後、日没時間が早まる時期になり、事故が増える可能性があるため、油断はできない。警察庁が、二〇一五〜一九年の五年間に全国で発生した死亡事故を分析したところ、十〜十二月の三カ月間に発生件数が増加していることが分かった。日没前後一時間の「薄暮時間帯」での発生割合も、この時期に高い。

 県警は、車のライトを早めに点灯することや夜間の外出時に反射材を着用することを呼び掛けている。「反射材確認!お先にどうぞ!」を標語にした秋の全国交通安全運動が、県内でも九月三十日まで展開される。

 担当者は「死者数は減ってはいるが、ゼロに越したことはない。一人一人が交通安全を守り、相手への思いやりや譲り合いを持って運転してほしい」と語った。


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