立教大観光学部の学生有志が作製を続けている県内各地のまち歩きマップ「ぶらってシリーズ」の秩父編が完成した。秩父市と横瀬、小鹿野、皆野の三町にまたがる秩父札所三十四カ所巡りをテーマに掲げ、学生たちが実際に各地を回って取材。この間、新型コロナウイルスの感染が拡大し、オンラインでの編集作業を余儀なくされたものの、無事、発行にこぎつけた。(久間木聡)
ぶらってシリーズは、同大が武蔵野銀行との産学連携プロジェクトとして二〇〇七年から取り組んでいる。これまで羽生市や加須市、新座市などを取り上げ、写真とイラストで地元の魅力を紹介してきた。昨年は小鹿野町編が発行され、今回の秩父編が第八弾となる。
秩父地域の観光と札所を結び付けたパンフレットが少ないことなどから、札所をテーマに選定。昨年八月から学生十六人が現地に入り、今年二月まで、札所だけでなく観光スポットや飲食店など延べ百カ所を訪問した。
パンフのタイトルは「札所のトリコ」。そもそも札所とは何かという説明から始まり、札所巡りのこつや、とりこになるほどの魅力を豊富な写真とともに紹介。若い世代に札所を知ってほしいとの思いから、イラストも随所に取り入れ、札所の特徴などを分かりやすく説明している。B5判、十四ページ。
四日に秩父市役所で完成披露会と贈呈式があり、学生十六人のうち十人が出席した。昨年の小鹿野町編の作製にも携わった三年の山口紗奈さん(21)は「コロナ禍で、オンライン形式での披露になるかと思ったが、実際に秩父に来ることができ本当にうれしい。地域に入って学ぶことの楽しさや大切さをあらためて知った。パンフは想像以上の出来で、達成感と満足感でいっぱい」と声を弾ませた。
一万部を発行。地域の観光施設や札所、武蔵野銀行各支店などで無料配布している。
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