海水浴客でにぎわった昨夏の熱海サンビーチ=熱海市で

 熱海市は二十五日、市内の海水浴場三カ所を七月二十三日〜八月二十三日、開設すると発表した。海水浴客は市内で宿泊することも多く、新型コロナウイルスで打撃を受けた観光業を回復させるためにも必要、と判断した。感染予防策を徹底して客を迎え入れる。(山中正義)

 新型コロナの「感染拡大に伴う都道府県間の移動制限が国や県から出ていないこと」が、開設の前提となる。例年約五十日間の開設期間は三十二日間に短縮し、終了時間も一時間前倒しの午後四時までとする。

 感染予防策は海水浴場ごとに異なり、駐車場の利用制限や入場抑制などさまざま。一日あたり最大八千人弱が利用する熱海サンビーチでは、入場口二カ所に人工知能(AI)カメラを設置。混雑具合を把握し、会員制交流サイト(SNS)やホームページで公表する。利用者が一定数を超えた場合は他の海水浴場の利用を促し、「密」を避ける。

 長浜海水浴場はロッカーの使用台数を半減させ、駐車場の利用台数も最大で半分に制限する。利用客が他より少なく、過密状態になる可能性が低い網代温泉海水浴場は、監視や看板設置などで注意を促す。

 斉藤栄市長は「観光を再開させる転換の機会を夏に持ってきたい。安全に留意しながら客を受け入れる」と話した。神奈川県で相次ぎ海水浴場の開設が見送られ、人が流れてくる可能性には、「多くの人が伊豆半島に来る可能性はあり、熱海はその入り口となる。他の海水浴場への移動を促し対応する」と述べた。

 県東部では伊東市や下田市などが海水浴場の開設を決めている。

◆海上花火8月5日開催

 熱海市は二十五日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期が続いていた熱海海上花火大会を八月五日に開催することも発表した。コロナ禍における花火大会の「検証の場」と位置付け、その後の開催は実施状況を検証して決める。

 打ち上げ数は通常の五千発を維持しながら、密集を避けるため打ち上げ時間を通常の三十分から十五分間に短縮する。主に市民や別荘所有者、宿泊客向けに開催し、自宅や宿泊施設、海岸部に設置する宿泊客専用の観覧場所での観賞を呼び掛ける。

 日帰り客はクラスターが発生した場合に連絡先の把握が困難なため、来訪への配慮を求めるが、来場する場合には市が今後配信する動画「安全な熱海海上花火大会の楽しみ方」を事前に見るなどして感染防止策を徹底してもらう。

 花火終了後も観覧客の帰路を分散させるなどして密集を避ける。

 斉藤栄市長は「コロナからの観光地熱海の回復、復興ののろしとしたい」と語った。海上花火大会は例年四〜十二月に行うが、今年は四〜六月の計五回が延期、七月の二回も延期が決まっている。 (山中正義)


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