雨の中で潮干狩りを楽しむ人たち=大洗町の大洗サンビーチ海水浴場で

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で迎えたゴールデンウイーク(GW)初日の二十九日、県内の観光地は冷たい雨にもかかわらず、多くの人でにぎわった。県はGW期間中、県外在住者に「茨城に来ないでください」と呼び掛けているが、県外ナンバーの車が目立った。県民からは感染リスクを警戒する声も上がる。 (松村真一郎)

■大洗の潮干狩り

 県内で最多の海水浴客が訪れる大洗サンビーチ海水浴場(大洗町)では、ハマグリ目当ての潮干狩り客が海岸を埋め尽くした。子ども連れの高橋弘子さん(39)と友人の山田恵里さん(39)=いずれも水戸市=は「コロナでどこにも行けないので、屋外で体を動かせる海に来た」と口をそろえた。

 昨年のGWは、国の緊急事態宣言が県内にも発令され、サンビーチ周辺三カ所の公営駐車場は閉鎖された。現在の感染状況は昨年以上に深刻だが、町は「昨年と比べて感染症対策が広がっている」と判断。通常は無料だが、GW期間中は有料化した上で、例年通り観光客を受け入れている。

 とはいえ、朝から県外ナンバーの車が押し寄せた。

 「(茨城県の)来県自粛は知っていたが、あまり気にしていない」と千葉県の男子学生(20)。横浜市の居酒屋店主の男性(66)も「来るなとは言われているが、車で来て、どこにも寄らずに帰るから大丈夫だろう」と砂浜を掘っていた。

■笠間の陶炎祭

 笠間芸術の森公園(笠間市)では、笠間焼の祭典「笠間の陶炎祭(ひまつり)」が二年ぶりに開幕。約二百人の作家が生活雑器やアクセサリーを展示即売したが、例年のGWほどの混雑は生じなかった。

 主催する笠間焼協同組合は、来場者に検温や手の消毒を義務付けるなど感染防止対策を徹底したほか、緊急事態宣言発令中の東京都などからの来場自粛をホームページで告知した。

 笠間市のパート従業員伊藤宮子さん(54)は「楽しみが増えるし、感染症対策をしながらでも開催することが作家さんにとっても重要だと思う」と歓迎した。

 もっとも、作家たちの心境は複雑だ。つくば市の大脇歩さん(47)は「大規模なイベントは、お客さんに作品を知ってもらう貴重な機会になるが、同時に感染が拡大している中で開催していいのかという思いもある」と吐露する。

 組合の深町明事務局長は「今年で四十回目の記念だったことと、陶炎祭で年収の大半を稼ぐ作家もおり、何とか開催したかった。来場者には感染防止対策に注意しながら楽しんでほしい」と理解を求めた。

 陶炎祭は五月五日まで開かれる。

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